栄養バランスを整えることは大変です。例えば、タンパク質を多く摂取しようと肉ばかりを食べていると、脂質や調理に使う塩分などの摂取も同時に増えてしまいます。ダイエットをするために野菜ばかり食べていると、タンパク質が不足します。
「いろいろな食品をバランスよく食べましょう」と言われます。これは、食材ごとに含まれる栄養素が異なるので、いろいろな食品を食べることで自然と補い合い、栄養のバランスがとれてくるということです。
ただ、いろいろな食品を食べていても、栄養素の中には摂取しづらいものもあります。
カルシウムは骨を作るのに重要なミネラルですが、吸収しにくいうえ、どの食品にも含まれているわけではないので、意識をしないと不足しがちです。骨密度は、20代後半から減っていくため、どの世代も意識する必要があります。
カルシウムは乳製品や豆腐、納豆などの大豆製品、骨ごと食べられる小魚などに多く含まれます。こうした食品を食べる習慣がない場合は特に意識して選ぶ必要があります。
以前は足りていると言われたけれど現代において不足しがちになっている栄養素にビタミンDがあります。ビタミンDは、魚やきのこ類に含まれます。カルシウム吸収にも重要で、日光(紫外線)にあたることで体内で産生することができるビタミンです。
最近ではUVカットの製品が増え、日光浴を避ける傾向もあり、体内で産生される量が減っているともいわれます。また、免疫機能など体内での重要な働きにも関与していることが注目され、食事からの摂取が見直されています。
コンビニで、1日分のカルシウムもビタミンDも取れる意外な食品を発見しました。日清食品「カップヌードル 塩分控えめPRO 1日分のカルシウム&ビタミンD」(204円で購入)です。
カップ麺は栄養バランスがいい食品とは言い難いはずなのですが、この商品は、1食にカルシウム698ミリグラム、ビタミンD6.9μg(マイクログラム)入っています。ちなみに、30代男性の1日のカルシウム摂取推奨量は750ミリグラム、ビタミンDは目安量8.5μgです。さらにビタミンB1、B2、食物繊維も含まれる一方、食塩は2.9グラムと一般的なカップ麺よりも少なくなっています。
食べてみると具材のエビ、たまご、謎肉(豚肉と大豆、野菜由来の成分をフリーズドライした具材)もしっかり入り、あっさりとした味わいでスープと麺のバランスがちょうどよく、食べ応えもあります。
これはもう、食べるサプリメントのような食品です。栄養バランスに自信がないとき、栄養素が多く含まれている商品を選ぶのはひとつの選択かもしれません。