【外食・コンビニ健康法】 口の中で「忙しい」ほどの変化 モスバーガー「新きんにくにくバーガー」
管理栄養士 浅野まみこ

カラダを鍛えようと思ったときに、筋力トレーニングなどの運動をすると思いますが、食事も実はトレーニングのひとつといえます。
食物は口に入れた後、胃腸で消化吸収されます。糖質のように消化しやすいものもあれば、食物繊維のように消化できず最終的に排泄(はいせつ)される栄養素もあります。
なかでも、タンパク質は消化に負担がかかるため、胃腸をしっかりと動かす必要があり、まさに「内臓の筋トレ」です。タンパク質は摂取後、体温を上げ代謝を高めますが、これも胃腸を動かす働きから起こる現象と言えます。内臓の筋トレは、老若男女問わず必要な働きです。
何からタンパク質を取るのかも重要です。たとえば、牛肉は鉄分が多いタンパク質です。豚肉は、糖質代謝を助けるビタミンB1をはじめ、ビタミンB群を多く含みます。鶏肉にはビタミンやミネラルは特筆するほど含まれませんが、脂質が少なく肉の中では消化しやすいといえます。
最近注目されている大豆タンパク質は、高タンパク、低脂肪であり、大豆のイソフラボンやビタミン、ミネラル、食物繊維が取れることでバランスの良い食材といえます。日々の栄養バランスを整えようと思ったら、何かに偏らず、それぞれを適宜食べるのが良いでしょう。
調理法も問題になります。カロリーや脂質を抑えたい場合は、しゃぶしゃぶなど、ゆでる調理がおすすめです。高カロリーでボリュームを出したいときは、油で揚げる調理法が最適といえます。タンパク質はカラダを酸性に傾けやすいため、同量の野菜を合わせることで酸性とアルカリ性のバランスを整えることができます。
タンパク質、肉を食べたい欲求をかなえる商品が、モスバーガーで販売されています。
毎月29日(肉の日)限定で販売されている「新きんにくにくバーガー」(850円)です。バンズの間には、下からチーズ、グリーンリーフ、チキンパティ(カツ)、オーロラソース、ソイパティ、チーズ、チキンナゲット、ミートソース、キャベツの千切りが重なっており、肉の種類も情報も多すぎるバーガーです。
エネルギーは685キロカロリーと高めですが、タンパク質は32グラムも取ることができます。食べてみると、それぞれのタンパク質の食感が異なり、レタスやキャベツのシャキシャキ感、チーズのうまみ、ミートソースやマヨネーズのようなオーロラソースの味わいと、口の中が忙しいと感じるほど変化があって楽しくなります。
しっかりと肉を噛んで、体のなかで消化をすれば、これはまさに、おいしく楽しい筋トレになりそうです。栄養バランスに意識を向けると味気ない食事になることがありますが、たまにはイベント的な楽しみ方もしたいものですね。