サプリメントで栄養は十分か?
「サプリメントなどでバランスよく栄養素を補給したら、食事は別に食べなくてもいいですか」という、ある意味「究極」のご質問をいただきました。
確かにサプリメントを摂れば、ビタミン、ミネラルなど主要な栄養素を補うことはできそうです。ただ、食事をするのは「栄養素を摂取する」こと以外にもさまざまな目的があります。
「噛む」ことの重要性
たとえば「噛む」という動作があります。サプリメントは、噛まずに飲み込むことができますが、食材を食べるときには噛む作業は不可欠です。
噛むことは唾液を分泌させ、胃液を出し消化吸収を促進させる働きのほか、唾液によって口の中を殺菌し、口臭や虫歯、歯周病を予防する働きがあります。また、食材を噛む振動は脳に刺激を与えて、食べているという満腹感を感じさせる役割があります。
食事が胃腸に与えるトレーニング効果
胃の消化に対しても差が生まれます。食材はサプリメントとは違い、分解するために胃をしっかり動かす必要があり、消化に時間がかかります。特に肉や魚などタンパク質や脂質の多い食材は、糖質などに比べて消化をするのに負担がかかります。毎日、胃を動かし消化吸収させることは「胃腸の筋トレ」にもなっており、実は重要な過程です。
栄養素と消化を考慮した商品選び
そのため最近は、栄養バランスだけでなく、胃の消化吸収も期待できる商品が多く販売されています。
ナチュラルローソンで「33種類の栄養素 バランスサポートブレッド チョコスティック 2本入り」(192円)を購入しました。厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準(2020年版)で設定されているタンパク質・ビタミン・食物繊維など33種類の栄養素すべてを配合したパンとのことです。
栄養素表示の充実と実食の印象
実際、商品の裏には栄養素の名前と1日分の必要量に占める割合(18歳以上、基準熱量2200キロカロリーの人に対しての%)がびっしり記載され、栄養素を何%摂取できるかがひと目でわかります。
もちもちとしたチョコレートパンですが、食べてみると確かに栄養素が多く含まれていそうな味わいが感じられます。カロリーは1袋249キロカロリー。ご飯1膳(150グラム分)と同等ながら、不足しがちなカルシウムは266ミリグラム(1日分の39.1%)、鉄は1.7ミリグラム(同25%)摂取できます。これなら、どのぐらい栄養素を摂取しているかを把握できるうえに、サプリメントにはない「噛む」動作もできます。
補助食品の活用で理想の食事へ
主食にあたるパンがベースになっているため、タンパク質は7グラムで、1日分の8・6%と少なめです。タンパク質の多いサラダチキンや卵、満足感を感じられるサラダや温かいスープを合わせるとバランスが整うかもしれません。
栄養バランスが気になったとき、こうした食品を組み合わせると、理にかなった食事になりそうです。