完全栄養食に注目
健康に対する人々の意識は年々変化します。以前は、カロリーや糖質など「不要なものを減らす」傾向がありましたが、最近では、「自分に必要な栄養素を取り入れる」傾向が強くなっています。現代人は効率の高さや手軽さにもこだわるため、タイパやコスパも重視されています。
そんななか注目されているのが「完全栄養食」です。これは「健康を維持するために必要な栄養素をすべて含み、過不足なく摂取できるように開発された食品」を指します。
栄養素については、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」をベースにした食品が多く、タンパク質、脂質、炭水化物などの3大栄養素やそのバランス(PFCバランス)、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの33種類の栄養素を網羅しています。食べる側が自分で計算しなくても、残さず食べておけば栄養バランスが取れるという手軽さや安心感があります。
ただ、「1食当たりの栄養素を満たすよう設計されている」ものの、ポリフェノール類などに代表されるファイトケミカルなどの栄養素は摂取しづらいことや、通常の食事よりもボリュームや噛む回数が少ない傾向もあり、食べた満足度が低下しやすいといった問題があります。日々不足しがちな栄養素を補助する役割として考えるのがよいかもしれません。
栄養素の取りこぼれない「焼きそば」
コンビニで日清食品の「完全メシ日清焼そばU.F.O. 濃い濃いお好みソース焼そば」を発見しました(429円で購入)。33種類の栄養素を網羅しながら、おいしさを追求した商品で、3大栄養素のPFCバランスは理想的な数値です。また、男性30~49歳身体活動レベルⅡ(事務、営業職などの一般的な生活強度)を基本に1食分の栄養素を満たしています。
開けてみてびっくり、5つの小袋が入り、完成まで気を抜けません。汁を残すこともあるラーメンと異なり、焼きそばには汁がないため、入れた栄養素はすべて摂取でき、栄養の取りこぼれがないのは良い点です。食べてみると、やや濃いめの味付けに通常のU.F.O.よりも甘さを感じる仕上がりです。
噛む回数を増やし満足度を上げるために、カットキャベツなどを追加してはどうでしょうか。カロリーは463キロカロリーと低めながら、タンパク質は18.3グラムとしっかり。食物繊維が11.4グラムも入っているのは、野菜が苦手な人にもうれしい数値です。通常不足しがちなカルシウムや鉄、ビタミンDなどが含まれるのも良い点です。
これからの時代、効率を重視しつつ、必要な栄養素を取れる食品がまだまだ出てきそうです。上手に使いこなすためにもチェックしておきたいですね。