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「しょうが」は冬の最強食材!調理で変わる4つのすごい効能

「しょうが」は冬の最強食材!調理で変わる4つのすごい効能
エイジングケア
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そもそも、しょうがってどんな食べ物?

しょうがは、日本食にも多く使われますが、中国やインドなどでも古くから活用されている香辛料です。地下茎部分が食材や生薬として使われ、1500年代から医療の分野でも活用されてきました。

とくに日本では、生のしょうがが広く使われており、風味をきかせたり、他の食材のよさを引き立てたりする効果があります。魚や肉料理の臭み消しや薬味としても幅広く活用できる、便利な食材です。
 

しょうがの驚くべき効能 

しょうがは、料理をおいしくするだけでなく、健康面でも複数の効果をもたらすとされています。
 

からだを温める

しょうがは、からだを温める食材として広く知られています。しょうがを加熱すると、ジンゲロールという成分の一部がショウガオールという成分に変化します。このショウガオールは、からだを芯から温める効果があり、冷えの改善に効果的です。

食欲を高め、消化をよくする


しょうがには、食欲を高めたり、消化をよくしたりする効果があります。しょうがの辛味成分であるジンゲロンやショウガオールが胃液の分泌を促進し、消化吸収能力を高めてくれるのです。これらの成分には殺菌効果もあるため、しょうがは食中毒の予防などにも使われます。

むくみ・ほてりを防止する


ジンゲロールという辛味成分は、血の巡りをよくして発汗を促します。むくみや、からだに熱がこもってほてりやすいなどの更年期の症状にもしょうがの効能がよく働きます。

咳や喉の痛み・風邪を予防する


ジンゲロールには強い殺菌作用があり、喉の痛みや炎症などに効果的です。また、ジンゲロンやショウガオールの食欲増進効果によって風邪で弱った胃腸が元気になるので、風邪のひき始めや体力が落ちているときにも有効です。どの成分も免疫力を高めて血行を促進するので、風邪をひきやすいシーズンは、しょうがを意識して食べるといいでしょう。

調理や加工によって変わるしょうがの効果

しょうがの効果を最大限に発揮するために、調理法ごとの効果をチェックしてみましょう。

生のまま食べる  


風邪の予防や、発熱時、喉が痛むときなどは生のしょうがが効果的です。お寿司のガリのような漬物、薬味などがおすすめ。また、むくみやすくからだに熱がこもりやすい場合も、生のしょうがが効果的です。30度くらいまでの低温であれば解熱・殺菌効果をもつ成分が変化しないので、すりおろしたものをぬるめの白湯や紅茶などに入れて飲んでも効果が期待できます。

加熱する


からだを温めたいときや、風邪のひき始めなどには加熱調理したしょうががおすすめです。ただし、80度ほどの温度にならないと効果を発揮しないため、煮込み料理に加えて10分以上、できれば1時間ほどじっくり加熱するのがベストです。ショウガオールは温度が下がると元の成分に戻ってしまうので、熱いうちに食べるようにしましょう。

乾燥させる  


からだを温めるのにもっとも効果的なのは、乾燥させたしょうがです。十分に加熱して水分を飛ばしたしょうがは、ショウガオールの成分が10倍にもなるというデータがあります。

しかし、1時間以上煮込むような手間と時間のかかる調理は難しいことも多いですよね。そこで、オーブンで焼いたり、天日干ししたりして「乾燥しょうが」に加工すれば、ショウガオールの効果をキープできます。乾燥させたしょうがをミルで粉末状にすれば、保存性の高い万能調味料として活躍します。

冷え対策にはしょうが×漢方薬

しょうがは生薬でもあるため、漢方薬の原料としても使われています。生のしょうがを指す生姜(しょうきょう)、加熱して乾燥させた乾姜(かんしょう)のどちらも漢方薬に多く配合されているのです。

冬の寒い季節は、やはり冷え対策を万全にしておきたいところ。冷えにおすすめなのは、乾姜を配合した漢方薬です。漢方薬は冷えの原因を根本から改善するため、気温の低下にも負けないぽかぽかのからだを目指せます。

冷えにおすすめ! 乾姜を配合したおすすめ漢方薬

大建中湯(だいけんちゅうとう)

おなかが冷えて、ガスがたまりやすい人の胃腸機能を整えて、腹痛、腹部膨満感、腹部や手足の冷えに用いられます。

(参考)
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ大建中湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8977

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

腰から足にかけて冷えが強く、排尿の量や回数が多い人の腰痛、神経痛、夜尿症、腰の冷えに用いられます。

(参考)
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ苓姜朮甘湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=9167


ただし、漢方薬は自分の体質に合っていないと効果を発揮しなかったり、副作用が生じたりすることもあります。初めて漢方薬を飲むときは、専門家に相談して体質に合ったものを選ぶことが大切です。

最近では、オンラインで自分に最適な漢方薬を選んでもらえる「あんしん漢方」のようなサービスも話題です。スマホひとつですぐ相談でき、郵送で自宅に届けてくれるため、忙しい人でも手軽に漢方薬を取り入れられます。気になる人はぜひチェックしてください。

しょうがは寒い季節の強い味方


しょうがには、からだを温める効果から胃腸の働きをよくする効果、風邪予防など幅広い効果が期待できます。寒い季節は何かと不調を感じやすいので、しょうがを積極的に食べて、からだの内側から元気を引き出していきましょう!

解説・執筆者
薬剤師、薬膳アドバイザー
山形 ゆかり
薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家ほか薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。健康・美容情報を発信するMedical Health-メディヘルス-YouTubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動。「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行っている。