定番食品の3つの“進化”
世の中には定番の食品があります。子供の頃から存在し、親子や3世代で長く愛されている食品は、ふと食べたくなって購入したりするもの。こうした定番食品にも、世の中のニーズに合わせて変化があります。その方向性は3つ考えられます。
1つめは、含まれる栄養価に着目した変化です。タンパク質や食物繊維、乳酸菌などを加え、栄養強化をしたものや、塩分や糖質や脂質など控えたい栄養素を減らしているもの。「1日分の〇〇」「〇〇40%減」などの表記があります。
2つめは、環境や、環境を大切にする人の志向に配慮した変化です。オーガニック、グルテンフリー、動物性食品不使用、添加物フリーなどが増えています。
3つめは、サイズです。4人家族から2人家族へ、1人用、少量サイズなどへのシフトが見られます。こうした商品はお菓子の分野にも広がっており、いくつかの定番商品も、オリジナルから変化を続けています。
サイズだけでなく栄養素も進化した「1才からのかっぱえびせん」
ドラッグストアでみんな大好き、カルビー「かっぱえびせん」の「1才からのかっぱえびせん」を発見しました(4連パックを170円で購入)。
個包装で4連パックになっており、1袋は8グラムです。定番商品の4連パック「かっぱえびせんミニ4」は1袋12グラムですので、それより少量になっています。
使用している材料は「小麦でん粉、えび、小麦粉、砂糖、食塩」と油、添加物は使われずシンプルです。食べてみると、油が使われていない分、あっさりとした味わいです。オリジナルのかっぱえびせんよりも短く、塩味が抑えられ、さくさくとやさしい食感。赤ちゃんだけでなく、大人も好きな味わいです。
注目したいのは栄養素です。1袋あたり(「ミニ4」は12グラム、「1才~」は8グラム)で比較をすると、カロリーは、「ミニ4」60キロカロリーに対し、「1才~」は30キロカロリーと半分。脂質は「ミニ4」2.7グラムに対し0.09グラムとほとんど含まれず。食塩相当量も「ミニ4」0.3グラムに対して、0.09グラムと3分の1以下です。
カロリー、脂質、塩分が減らされ、唯一多く含まれているのが、どの世代も不足がちなカルシウムです。1袋あたり15ミリグラムに対して27ミリグラムと「1才~」は増量されています。同量で比較した場合でも、「ミニ4」に対する「1才~」はカロリーで75%、食塩で45%、カルシウムで約270%となります。
子供用のお菓子ととらえず、「1才から100才までのかっぱえびせん」と表記しても良さそうです。定番をニーズに合わせてリニューアルする商品はまだまだ出てくるでしょう。よく観察して、より自分に合った商品を見つけましょう。