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【ベストセラー健康本】『メンタルは食事が9割』~「半断食」で毒を溜めない食事術

【ベストセラー健康本】『メンタルは食事が9割』~「半断食」で毒を溜めない食事術
予防・健康
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うつ病を食事術で克服した医師

自身がうつ病だったことを告白し、そこから「食事術」によって抜け出した精神科医、宮島賢也氏=写真=の著作『メンタルは食事が9割』(アスコム刊、1496円)をご紹介したい。

著者は、産業医として臨床にあたる精神科医。自身が研修中にうつ病と診断され、7年間にわたって抗うつ剤を服用した経験を持つ。

しかし薬で病を克服できなかった著者は、食生活と思考、生き方を変える取り組みを実践し、見事うつ病を克服した。そんな自身の経験を元に書き下ろした。

考え方は極めてシンプル。肉や魚、添加物を多く使った加工食品などの高脂肪・高タンパクの食品を腹いっぱい食べていると、体は消化と吸収に労力を取られて疲労をため込むことになり、精神面でも「やる気」が無くなってしまう。反対に、果物や生野菜、玄米を中心とした食生活を送ると、胃腸への負担が減って、余った体力が気力を高め、メンタルを「いい状態」に保つ方向に作用する、というのだ。

著者は、「心と体に毒を溜める食事を避ける」ことを強く推奨。そのためには、「だるさの解消には“腹八分”」など5項目の「食事法」(別項)を実践することだという。

意識的な食事サイクルと「空腹の時間」

具体的に見てみると、意外に簡単で、たとえば「夜8時以降は食べない」は、毒を溜めないための「食事サイクルの意識付け」として重要な取り組みだ。1日を3つの時間帯に分けたサイクルを実践することで、排出=排泄がうまくいくようになり体内に毒が溜まらない体質になっていくという。

同様に「空腹の時間を作る」のも、毒を溜めない最良の手段だ。手っ取り早いのが断食だが、初心者には難度が高い。そこで著者が勧めるのが、18時間食べない時間を作る「半断食」。2週間~1カ月に1度でもこの「半断食」を行うだけでも毒出し効果が得られて、体が健康に向かっていることを実感できるという。

「薬に頼らずにメンタル不調を何とかしたい—という方のための本です。果物や野菜を生でバリバリ食べるというシンプルな方法で、例えばバナナを1本かじるだけでもOK。疲れて料理をする気力がないときや、食欲がないときにもお勧めです」と語るのは、編集を担当したアスコムの福田麻衣氏。

本格化する酷暑に向かい、食生活を見直す必要性は高まる。このタイミングに、体調だけでなく「心の調子」も高める食事法を取り入れることは、大いに理にかなっているのではないだろうか。

宮島式メンタル不調から抜け出す食事法

  1. だるさの解消には「腹八分」
     
  2. 果物と生野菜中心の食生活
     
  3. 玄米採食を基本とする
     
  4. 夜8時以降は食べない
  • 午前4時~正午…体が排泄する作業の時間帯
  • 正午~午後8時…摂取の時間。体が主に必要とする食べ物と栄養を取り入れることに集中
  • 午後8時~午前4時…体が日中に摂取した食べ物から栄養を吸収し、それを活用する時間

 5.  空腹の時間を作る(オススメは“毒出し半断食”)

執筆者
医療ジャーナリスト
竹中 秀二
学生時代から食品業界の専門紙でアルバイト原稿を執筆。大学卒業後は出版社に勤務し、児童向け書籍や学術誌の編集を担当。その後フリーとなり、新聞、雑誌で医療健康関連の取材を重ねる一方、医療や芸能関連書籍の企画・編集・取材・執筆を行う。