新型コロナウイルスは、およそ3年という期間を経てようやく季節性インフルエンザと同等の「5類」へと引き下げられました。
世の中は、海外からの訪問者数も増加し、コロナ前を思い出させるような街並みへと戻ってきました。ですが、私たちは今回の教訓を胸にいざというときのために免疫機能が低下しないよう日頃の習慣を整えておく必要があります。
また、5類だからといって軽視するわけにはいかない疾患ですので、急にガードが緩くなり、不摂生で免疫を低下させないようにしないといけませんね。
ところで最近、こんな症状はありませんか? 口内炎や口唇ヘルペスができた▽帯状疱疹を発症した▽歯茎が痛くなった▽喉が痛くなった▽傷の治りが遅くなった―。春のストレスとGWの不摂生が積み重なり、免疫が低下してしまった人も多いかもしれません。
ということで今回は、体調をセルフチェックしながら、食薬で心と体を整える食薬習慣をお伝えしていきます。免疫が低下してきたと感じる人のための対策を考えます。
突然ですが…
突然ですが、大きく息を吸って、吐いてください。
肩が大きく上に動いた人は要注意です。そしてもう一度、肋骨(ろっこつ)を両手でつかみ親指が背中の方にまわるようにして大きく呼吸してください。このとき、肋骨がほとんど動かない人も注意が必要です。肋骨が横や後ろに広がるように動くのが正常です。肩が上に上がったり、肋骨が動かないという人は、横隔膜や胸郭の周りにある呼吸筋の動きが悪くなっています。
日頃から呼吸が浅かったり、肩が凝ったり、常に気が張っていて体に力が入りやすかったりして、隠れ酸欠となっているかもしれません。
浅い呼吸は自律神経を乱し、血流を低下させ免疫までも低下させることにつながります。呼吸と食事によって生きていることを再認識し、健康管理のベースとして呼吸筋と食事の質の見直しを行っていきましょう。呼吸筋は、加齢や日々の姿勢、ストレスなどによって固くなりますが、深呼吸やストレッチをすることで、しなやかにしていくことは可能です。
姿勢をただし、疲れたとき、イライラしたとき、集中できないとき、だるいときなど、ちょっとネガティブな感情を感じたときには、深呼吸を約3分間取り入れるようにパターン化しましょう。ネガティブな感情をプラスに切り替えるきっかけに利用しましょう。
免疫機能を高める食薬習慣
まずは、“ほどほど”を心得ることから始めましょう。何事も「やり過ぎ」は身の毒。漢方の柱となる生体観念という理論は、周りとバランスをとり、大きな変化や偏りはNGとしています。
そのため、日々の生活の中に食べ過ぎ、飲み過ぎ、夜更かし、偏食など偏った行動がないかチェックしてみましょう。
タンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどに不足がないようにしながら、1日に必要な標準摂取カロリーの7~8割程度に抑える「カロリーリストリクション」を行うと長寿遺伝子の活性化につながり、体を整えるために役立ちます。
食事内容としては、免疫機能を高め、腸を整えるためにも役立つビタミンDや、食物繊維が豊富な干しシイタケやきくらげ、小魚などの乾物を取り入れるようにしてみましょう。