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初夏の食薬習慣(3)~心が乱れたときは…麺類やパンより「ご飯とみそ汁」中心の和食を

初夏の食薬習慣(3)~心が乱れたときは…麺類やパンより「ご飯とみそ汁」中心の和食を
予防・健康
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「やりたいことはたくさんあるのに時間がない」「時間ができたと思えば集中力がなくて…」「何をやってもうまくいかない」

――そんなときってありますよね。

自分にイライラしたり、他人の視線やちょっとした一言にも怒ってしまったり。忙しいときほど空回りしてうんざりしてしまうなんて経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

次の連休は7月。本格的に新年度の仕事モードに突入して、メンタルが体についていかないと感じることが増える時期かもしれません。

そんなときには、デスク回り、冷蔵庫などのお掃除をすることで、身の回りをすっきりさせてみましょう。

私たちは、外界の情報の8割以上を視覚から得ています。視界に入るものが気になるタイミングが増えて、心に乱れを感じたときには、まずお掃除がおすすめ。とりあえずイライラしたら、身の回りの物を5つ片づけてみましょう。

冷蔵庫の中にはこれから食べるものが入っているため、冷蔵庫の中のいらないものを捨て、キレイにすることは、最も簡単な体調管理方法とも言えます。

ということで、ここでは心が乱れたときの食薬習慣を紹介していきます。

ラーメンやパンのお店屋の前を素通りできますか?

調子が悪いとき、ラーメン、パンの店頭看板を二度見したり、立ち止まったり、惹きこまれて入ったりしていませんか?

ラーメンやパンは基本的に小麦と油を組み合わせた食べ物です。血糖値の乱高下を起こし日中の眠気やだるさなどの原因になり、老化や不調の原因となるAGEsが多く、腸に炎症を起こして全身的な不調にもつながってしまうことがあります。

また、小麦に含まれるグルテンにはモルヒネに似たアミノ酸配列があり、中毒性があります。おいしいから食べたくなるという単純なことだけではなく、薬物のような依存性が起きていることも考えられます。

そのため、調子が悪い時に麺類やパンばかり食べてしまうと依存的にたくさん食べてしまいがちです。同時に、通常の食事なら摂取できるタンパク質、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカルなどの摂取が不足してしまう可能性もあります。ですから、体調がよくないときこそ、なるべくご飯とみそ汁中心の定食など、和食を摂ることを心がけましょう。

心が乱れたときの食薬習慣

心の状態が不安定な時には、タンパク質や鉄、ビタミンB群などが不足していたり、胃腸の働きが悪くなり栄養の消化吸収能力が低下していたりする場合があります。

そこで、少なくとも体重と同じグラム数(60キロなら60グラム)のタンパク質を食べるようにしましょう。目安として肉100グラムあたり20グラム、豆腐1丁あたり20グラム、卵1個10グラムのようにざっくりな感覚でカウントしてみてください。心を安定させるために必要な栄養素となります。

また、血糖値が急上昇しないように食事のはじめに肉や魚、豆類などタンパク質を摂るようにしましょう。

ただし、タンパク質は人によって胃腸に負担になることがあるため、お腹が張ったり、便の状態に異変を感じる場合には量を調整します。大根やキャベツなど消化を助ける食材を合わせて食べるようにしましょうね。

解説・執筆者
薬剤師、国際中医師
大久保 愛
食薬の第一人者、薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師、日本初の国際中医美容師、薬膳料理研究家、作家、アイカ製薬代表取締役。未病を治す専門家としてAI漢方・食薬相談システム『CrowdSalon』開発や『食薬アドバイザー』資格養成、商品開発、企業コンサルティングなどに携わる。著書『心がバテない食薬習慣』は発売1カ月で7万部突破のベストセラーに。著書多数。https://crowdsalon.com/。