「体調不良」とはじつに便利な言葉だ。病名はつかなくても、あるいは医療機関を受診するほどではないものの、それでも確かに調子が悪い―という時、周囲に不調を理解してもらうときにこの表現を使うと、同情してもらえる。しかし、同情されたからと言って体調が回復するものでもない。何らかの手立てを講じるべきだ。
そんなときに「スープ」を利用するのはどうだろう。
『管理栄養士が考えたからだおそうじスープ』(KADOKAWA刊、1485円)の著者、牧野直子さんは、料理研究家やダイエットコーディネーターの顔も持つ管理栄養士である。「より健康になるための食生活や栄養の情報」をメディアを通じて発信し、自身は20代から30年以上、変わらない体重をキープしている。
最新刊となる同書には、いまの体に不要なものを排除して、必要な栄養素はきちんと補給し、それでいて簡単に作れるスープのレシピがふんだんに紹介されている。
たとえば、脂肪を落としたいときには、日常生活でつい摂りすぎてしまいがちな脂質を効率よくエネルギーに変えるビタミンB2と食物繊維、発酵食品などが摂れる「じゃがいもとさば缶のカレースープ」など。
「むくみ」に悩む人には、その原因となっている余分な塩分を排出してくれるカリウムに加えて、食物繊維も豊富に摂れる「れんこんだんごと玉ねぎのみそ汁」など。
だるくて起き上がるのもつらい時には、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1や、疲労回復効果のあるイミダゾールペプチド、鉄分を多く含む「鮭と小松菜の豆乳みそスープ」など。
効能はもちろん、写真を見ているだけで食欲をそそられるメニューが多数紹介されている。
どのスープも手間暇かける必要はなく、食材さえあればササっと作れる手軽さがウリ。加えて、おそうじスープ生活に便利なサポート食材と調味料も紹介されているので、買い物の際に思い出したら補充しておくと役立つはずだ。
「何だか体が重い、むくみがひどくなってきた、朝起きた瞬間からだるい…。そんな悩みを抱えている人に、効果的な栄養食材の組み合わせで不要なものを排出してくれる『からだおそうじスープ』がオススメです。水に流出しやすい水溶性の栄養素を丸ごと摂れるスープなので、栄養のロスも少なく済む。管理栄養士のお墨付きなので、安心して取り組める健康法です」
こう語るのは、編集を担当したKADOKAWA「レタスクラブ」副編集長の渋谷直子さん。
基礎的な栄養知識を身に付けながらおいしいスープを摂って健康を取り戻す―。偏ってしまった食生活を好循環に変えるきっかけとして最適な1冊だ。
おそうじスープ生活のコツとメリット
①いまの体に不要なものを“おそうじ”できる
②3食きちんと食べられる
③スープのほかにご飯やパンなどの主食があればOK
④体調と気分で選べる豊富なメニュー
⑤常備しておくと便利な食材と調味料で簡単につくれる