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水太り、むくみ、肥満症に効く「防已黄耆湯」ってどんな薬?

水太り、むくみ、肥満症に効く「防已黄耆湯」ってどんな薬?
エイジングケア
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「食べすぎているわけではないのに太りやすい」「からだが疲れやすくて運動する気にもなれない」「汗をたくさんかく」「夕方になるとむくみがひどい」

このような症状はありませんか?

実はそのお悩みは「防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)」で解消できる可能性があります。

もちろん、からだにやさしいとされる漢方薬でも、体質に合わないと効果が得られなかったり、副作用を起こすリスクもあります。ここでは、防已黄耆湯がどのような漢方薬で、どのような人に合うのかを解説していきます。

肥満タイプを診断

防已黄耆湯が適しているのは、体力があまりなく、水太りで悩んでいる人です。

漢方では、体力があまりない体質を「虚証(きょしょう)」といいます。以下は、防已黄耆湯が適している人の体質や、症状がわかるチェックリストです。

□筋肉が柔らかい
□色白
□疲れやすい
□下半身がむくみやすい
□汗をたくさんかきやすい
□関節の痛みや腫れがある
□尿の量が少ない
□食べる量が少ないのに太っていて皮膚のたるみが気になる
□軟便になりやすい
□からだが冷えやすい
□あっさりとした食事が好み

当てはまる項目が多い人は、虚証タイプで水太りによる肥満といえるため、防已黄耆湯に適していると考えられます。

虚証タイプにおすすめの「防已黄耆湯」

漢方薬に配合されている生薬によっては、アレルギーを起こしたり副作用を起こしたりする人もいます。虚証タイプにおすすめの防已黄耆湯についても、さまざまな面からどのような人に適しているのか、より詳しく解説します。

防已黄耆湯とはどんな漢方?

防已黄耆湯には、水分代謝の改善を目指す生薬、胃腸の消化機能を整える生薬、滋養強壮作用や発汗を調整する作用のある生薬が配合されています。配合されているのは、以下の6種類です。

●防已(ボウイ)
●黄耆(オウギ)
●白朮(ビャクジュツ)
●大棗(タイソウ)
●甘草(カンゾウ)
●生姜(ショウキョウ)

生薬には、植物由来のものや動物由来のもの、鉱物由来のものがあり、防已黄耆湯は植物由来の生薬のみで構成されています。

防已(ボウイ)

ツヅラフジ科のオオツヅラフジの茎または根茎を乾燥させたもの。
主要薬理作用=抗炎症作用、抗アレルギー作用

黄耆(オウギ)

マメ科のキバナオウギやナイモウオウギなどの根を乾燥させたもの。
主要薬理作用=免疫賦活作用、血圧降下作用、抗炎症、抗アレルギー作用

白朮(ビャクジュツ)

キク科のオケラの根茎を乾燥させたもの。
主要薬理作用=利尿作用、抗ストレス作用、肝障害抑制作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用

大棗(タイソウ)

クロウメモドキ科のナツメの果実。
主要薬理作用=抗アレルギー作用、抗消化性潰瘍作用、抗ストレス作用

甘草(カンゾウ)

マメ科のカンゾウの根や根茎を乾燥させたもの。
主要薬理作用=鎮静作用、肝障害改善作用、抗炎症作用、ステロイドホルモン用作用

生姜(ショウキョウ)

ショウガ科のショウガの根茎をそのまま乾燥させたもの。
主要薬理作用=中枢抑制作用、解熱・鎮痛作用、鎮咳作用、抗消化性潰瘍作用

防已黄耆湯の主な効能・適している症状


防已黄耆湯は、からだの中の余分な水分の排出を促す生薬が多く含まれているため、むくみや水太りの症状に悩まれている人に適しています。

また、滋養強壮や汗を調節する生薬、痛みを取り除く生薬の配合により、疲れやすい人、多汗症の人、膝関節に水がたまり、痛み・腫れがあるなどの症状がみられる人にも適しています。

他にも、生理不順や腎炎、筋炎がみられる人に用いられることがあるのも特徴です。

防已黄耆湯の副作用


防已黄耆湯の主な副作用は、以下の症状です。

●胃の不快感
●食欲不振
●軽い吐き気
●発疹
●発赤
●かゆみ

また、防已黄耆湯の重い副作用の症状には以下があります。

●間質性肺炎:発熱、息切れ、から咳、呼吸困難など
●偽アルドステロン症:手足のむくみ、手のこわばり、尿量が減る、あるいは増えるなど
●ミオパチー:手足のしびれ、ひきつり、脱力感など
●肝機能障害:黄疸、食欲低下、全身の倦怠感など

偽アルドステロン症とは、漢方薬を長期間服用し続けた人や、甘草を多量に摂取した人が起こしやすい副作用です。長期間服用する際は、体調の変化を観察しながら続けていき、甘草が配合されている漢方薬との併用は控えましょう。

また、ミオパチーも甘草の大量摂取が原因で起こりやすくなるため、甘草の摂取量には気をつけましょう。

漢方は専門家に提案してもらうのがベスト

防已黄耆湯はドラッグストアや通販サイトでもよく目にする漢方薬ですが、個人で判断して服用するのは、あまりおすすめできません。症状が同じであったとしても、体質や自己診断の間違いにより副作用を起こすリスクがあるため、専門家による提案がベストです。

例えば、漢方のプロがAI(人工知能)を活用して一人ひとりの体質に合った漢方を選り抜く「あんしん漢方」なら、スマホから相談ができ、選んだ薬を自宅までお届けします。オンラインでいつでも「個別相談」が(無料)できる安心サポートも付いています。

 

防已黄耆湯は虚証の人の水太り体質改善を目指す漢方薬

防已黄耆湯は、疲れやすく色白で筋肉が柔らかいといった「虚証タイプ」の水太りや、多汗症などに悩まれている人に適しています。

ただし、体質に合わない場合は変化を感じられなかったり、副作用を起こすこともあります。

自分が本当に水太り体質なのか、などは専門家の診断が必要です。そのうえで、適した漢方薬を選んでもらうことが大切です。

解説・執筆者
あんしん漢方薬剤師
碇 純子
薬剤師。漢方薬生薬認定薬剤師 。理学博士、薬学修士。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科修了。漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。