更年期障害 漢方でエイジングケア

肩こり放置でうつ病リスク上昇? 更年期の新習慣におすすめのヨガ

肩こり放置でうつ病リスク上昇? 更年期の新習慣におすすめのヨガ
エイジングケア
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肩こりは誰もが経験する症状ですが、更年期の女性の中にはとくに頑固な痛みに悩まされる人が多いのではないでしょうか。そのままの状態で放置してしまうと、他の不調にもつながり、ときには生活に支障をきたしてしまうこともあります。

ここでは、肩こりの悩みを一問一答式で挙げたうえで、家でも簡単に取り組める肩こりのセルフケアであるヨガと漢方についてご紹介します。
ただし、痛みなどが強い場合、なかなか痛みが消えない場合は、まずは医療機関を受診してください。

Q1.40代になって肩こりがひどくなったのですが、なぜでしょうか?

A:筋肉の緊張や、首・肩の筋肉が年齢とともに衰えてしまっていることが要因として考えられます。首から肩甲骨にかけての筋肉がうまく機能しないことにより、血行不良になったり、疲労物質が筋肉中にたまったりすることがあります。これが、こりを引き起こす原因になる場合があるのです。

特に、デスクワークを長時間行っている人やスマホを触る時間が多い人は、肩周りの筋肉がこり固まってしまう可能性が高くなります。
また、更年期の女性の場合は、女性ホルモンの減少に伴って自律神経が乱れてしまうことも要因になるといわれています。(※1)

Q2.肩こりを放っておくことによるリスクはありますか?

肩こりは、頭痛、めまい、吐き気、睡眠障害、うつ病などの症状を引き起こして、生活の質を低下させる原因になることがあります。
また、肩こりで普段の姿勢が悪くなると、さらに悪化する場合もあります。(※2)

Q3.肩こりに悩んでいる人はどんなことに気を付けるといいですか?

長時間同じ姿勢を続けない


デスクワークでは1時間に1回は伸びをしたり、席を立って少し歩いたほうがいいですね。同じ姿勢を続けて筋肉を硬直させないことが大切です。
また、ショルダーバッグを毎回同じ肩にかけることや、いつも同じ姿勢で脚を組むのも避けましょう。

適度に運動をする


適度に運動をすると血行がよくなるため、肩こり解消が期待できます。
とくに、肩甲骨周りにはたくさんの筋肉がついているにもかかわらず、普段の生活で大きく動かす機会は少ないと思います。
肩こりをやわらげたい場合は、肩甲骨周りを積極的に動かしてみましょう。

ストレスをためない


ストレスがたまると、自律神経が乱れて肩こりの原因になる場合があります。忙しい日々のなかでも、リラックスする時間を確保するようにしましょう。また、睡眠不足もストレスにつながる可能性があるので、しっかり寝る時間を確保することが大事です。

Q4.肩こりを解消できるストレッチなどを教えてください。


ここでは、からだのストレッチだけでなく、呼吸に意識が向きやすいポーズをご紹介します。呼吸に集中することによって副交感神経が優位になり、心身ともにリラックス効果が期待できます。

1.安楽座(スカーサナ)


①両ひざを曲げて、かかとを自分の方に引き寄せる。可能であれば、両方のかかとが体の中心で並ぶようにする
②背筋を伸ばして肩の力を抜く

体勢が安定しない場合は、お尻やひざの下にブランケットやヨガブロックを置いて調整します。不安でなければそっと目を閉じて、自然な呼吸を繰り返しましょう。

2.三日月ポーズ


①四つん這いになる(肩の真下に手を置き、ひざは脚の付け根の下で調整する)
②両手の間に片足を置いて両手を上げる。グラグラする場合は後ろの足を少し外側に置く。腰が反りすぎないよう、おなかに力を入れる

3.胎児のポーズ


①仰向けに寝る
②両腕でひざを抱える
余裕があれば頭を持ち上げて背中をギュッと丸めます。リラックスした状態で、呼吸も忘れずに行いましょう。

Q5.肩こりには漢方がいいと聞きますが本当ですか?

漢方薬は自然由来の生薬で構成されており、肩こりの原因となる血行不良や冷え、ストレス、過労、水分代謝の乱れなどに根本からアプローチできます。

肩こりの解消には、下記のような作用の生薬を含む漢方薬を選びます。


・血流をよくして肩の筋肉をゆるめる
・肩の筋肉に栄養や酸素を届けて疲労を軽減する
・水分の循環をよくして老廃物や疲労物質を排出する
・からだを温めて筋肉をゆるめる
・自律神経のバランスを整え、ストレスが原因の首や肩のこりを軽減する

漢方薬でからだの内側からバランスを整えることで、肩こりだけでなく、頭痛や冷え、疲れやすさなどの体質改善も期待できます。

<肩こり解消におすすめの漢方薬>

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)


「血」と「水」の巡りをよくして、肩こりや頭重を和らげ、冷えも改善します。からだが疲れやすい人におすすめです。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)


滞った血のめぐりをよくすることで、肩こり解消が期待できます。比較的体力のある人に用います。

漢方を初めて処方する人やあまり経験のない人は購入方法や副作用など、不安も多いでしょう。その場合は、インターネット相談窓口がある「あんしん漢方」(オンラインAI漢方)のようなサービスを利用してみましょう。「オンライン個別相談」もあり、漢方に詳しい薬剤師にスマホで相談ができます。その薬剤師が体質に合った漢方を見極めて、適切な漢方薬を自宅に郵送してくれます。

更年期の肩こりとうまく付き合うために

更年期に起こる肩こりは、自律神経の乱れなどと大きく関わっている場合があります。
普段の姿勢や生活習慣に気をつけることはもちろんのこと、心身ともにほぐせるヨガや漢方薬を取り入れることもおすすめです。自分に合った方法を見つけて、うまく更年期と付き合っていきましょう。

参考サイト・文献:
(※1)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「内分泌系の老化」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/naibunpitsu-rouka.html
(※2)敷島ブックス 志氣快哉 (著) 「その肩こり放っておくと危険」
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8228
(※4)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8232

執筆者
ヨガインストラクター
高橋 かなこ
RYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして、2021年からオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験や自身のダイエット成功経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン、美しい体を作るため食の大切さや思考について精力的に情報発信を行っている。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。