コラム

結婚相談所利用の「シニア婚活」が増えてきた背景

結婚相談所利用の「シニア婚活」が増えてきた背景
コラム・体験記
文字サイズ

コロナ禍がようやく一段落する兆しが見えている2023年春。結婚報告を耳にする機会が急速に増えている。若い世代のみならず、アラフォー・アラフィフ世代からの報告も目立つ。聞けば、コロナ禍の影響で「シニア婚活」もますます活況だという。シニア世代の婚活を数多くサポートしてきた結婚相談所「ブライダルゼルム」(東京・銀座)代表の立花えりこさんに聞いた。

「コロナ禍ではひとり暮らしの方、とくにシニアの方はより、“独り身”である寂しさや不安を実感された方が多かったようです」

とくに女性の場合は、コロナ禍の影響で失業し、老後の経済的不安から婚活を決意した人も少なくないという。男性はなんといっても孤独感。コロナ禍ではこれまでのように自由に飲み歩くわけにもいかず、家族にしか会えない。離別・死別で子どもがいる場合でも、離れて暮らす子どもや孫に会いに行くのははばかられ、パートナーのいない暮らしの寂しさに耐えかねて、婚活を始めるケースも多く見られたとか。

「きっかけはその方によってもさまざまですが、ひとりになる時間が増え、今後の人生のあり方を考えたときに婚活をしてみようと思われる方が増えたのは確かです」

ただし、いざ婚活しようと思っても、コロナ禍ではパーティーの開催も難しく、大勢が集まる場所を避けたいという人が多いという実情もあった。

「不特定多数の人が集まるパーティーよりも、“1対1でのお見合いのほうが安心できる”と、結婚相談所への入会される方が増えたという経緯もあるようです」

結婚相談所であれば、お見合いやデートの場所選びもアドバイザーに相談できる。「席間が広く、ゆったりとしたホテルのティーラウンジ」など、感染対策に気を付けながら会える場所の情報が重宝されたとか。

「外出自粛の結果、太ってしまったり、マスク生活で老け込んでしまった女性も多かったので、みなさん美容に力を入れて、女子力アップに励まれています」

この春、パーティーの開催頻度についてはコロナ以前に戻りつつあるという。3年ぶりに参加するというリピーター客からの申し込みも増えているとか。

「パーティーの進行自体は変わらず、感染対策に配慮しながら進めています。マスクの着用は個人の判断にお任せしていますが、現状では着用している方と、外している方が半々ぐらい。最初はマスクをしているけれど、後半はほぼ外しているというケースが多いですね」

自己紹介のときだけ一瞬マスクを外し、顔を見せた後、再びつけるというスタイルもある。しかし、マスクをしないほうが声は聞き取りやすく表情もわかりやすいため、会話が弾みやすいという側面もあるとか。

「これから夏に向かって暑くなると、マスクを外す方がよりいっそう増えてくると思います」

価値観をゆさぶったコロナ禍での暮らし。シニア世代の人生観・結婚観も例外ではない。

「健活手帖」 2023-04-24 公開
執筆者
老年学研究者
島影 真奈美
ライター/老年学研究者。1973年宮城県生まれ。シニアカルチャー、ビジネス、マネーなどの分野を中心に取材・執筆を行う傍ら、桜美林大学大学院老年学研究科に在籍。近著に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)、『親の介護がツラクなる前に知っておきたいこと』(WAVE出版)。