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生理痛やPMS、更年期症状をツボと漢方で緩和する

公開日:2023-04-20
更新日:2023-04-21
生理痛やPMS、更年期症状をツボと漢方で緩和する
エイジングケア
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40代に入り、今までのPMSとは違う症状があると、「もしかして更年期?」と思ってしまうことはありませんか? 不調があると、更年期症状に該当するのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。今回の記事では、40歳を超えた頃からPMSの症状に変化があった中村さん(仮名)の相談に基づき、PMSと更年期の違いについてご紹介します。

40代になってから生理前後の不調が悪化?

中村さん(46歳・在宅パート)は動けないほどの生理痛に悩まされています。

中村さんは普段から、週末にストレッチやウオーキングといった運動を旦那さんと一緒に行っています。食生活にも気を配って生活していましたが、40歳を超えた頃からイライラなどのPMS症状が気になり、今まで軽かった生理痛も重くなったりしてきました。

生理痛には市販の痛み止めを飲んで対処していますが、腹痛が落ち着いても吐き気が続くなど、生理のたびに布団から起き上がれない状態が続きました。

今までとは違うPMSや生理痛に不安を感じると同時に、年齢的に「更年期」という言葉も気になり始めました。少しでも症状を軽減したいと思い、旦那さんのすすめで婦人科を受診することにしました。

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中村さん「40歳を超えた頃から生理前にイライラすることが増えたり、今まで軽かった生理痛が重くなったりしました。年齢的にこの症状は更年期なのでしょうか?」

先生「今までとは違う生理前の症状や生理痛に悩まれているのですね。まずは、PMSと更年期症状の違いについて説明しますね。PMSと更年期は、ともに女性ホルモンの変化が関連していて、身体的・精神的な症状を引き起こす点では共通していますが、大きな違いがあります。PMSは月経周期に伴って生理前にあらわれ、生理が始まると症状が改善することが多いです。一方、更年期症状は閉経前後にあらわれ、月経周期に限りません。長期間続くことがあり、身体的症状だけでなく、精神的な変化も大きく関わってきます」 
 

生理の不調が悪化した原因は?

先生「次にPMSや生理痛の悪化と更年期の関係について説明しますね。更年期に入ると女性ホルモンの分泌量が減少するため、月経不順や経血量の変化、更年期障害などの症状があらわれることがあります。更年期には、卵巣から分泌される女性ホルモンであるエストロゲンの量が減少し、黄体ホルモンの分泌量も変動します。このため、生理前に体内でエストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れることがあり、PMSの症状が悪化することがあるのです」

更年期はホルモンバランスの問題であるため、誰にでも起こりうる可能性があります。そこで、更年期に対して不安になりすぎず、負担のない範囲でできる改善方法をお伝えします。

 

生理痛や更年期の症状を安定させるツボ

中村さんは運動や食事にも気を遣われていますので、今回は手軽に試せるツボについてご紹介します。 
 

 

関元(かんげん)

おへその下(指4本分下)に位置するツボです。 
生理痛の緩和や生理不順、腰痛、冷え性の改善などに用いられます。

 

帰来(きらい)

おへその下(指5本分下)から左右に指3本分離れたところに位置するツボです。 
生理痛の緩和や膀胱・婦人科系トラブルの改善などに用いられます。

 

生理痛の緩和には漢方もおすすめ

生理痛の緩和には、婦人科でも使われている漢方薬を活用するのもおすすめです。

漢方薬は自然由来の生薬でつくられており、こころやからだ全体のバランスを整えて生理痛を根本改善します。

また、ホルモンバランスや自律神経の乱れなどを体質から改善するので、生理や更年期にあらわれるいくつもの症状を同時に改善することを得意としています。

生理痛の原因は、ホルモンバランスの乱れやストレス、冷え、過労、血流不足などと考えられています。

生理痛の改善には、下記のような働きのある生薬を含む漢方薬を選びます。

・冷えや疲労によるホルモンバランスの乱れを改善する 
・自律神経を整えて、ストレスによる腹部の張りや痛みを改善する 
・血流をよくして子宮や卵巣の機能を回復する

漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく、根本からの体質改善が目指せるので、生理痛を治すだけでなく、生理痛にならないからだを手に入れることもできます。

 

生理痛の緩和におすすめの漢方薬

 

当帰芍薬散 (とうきしゃくやくさん)

「血(けつ)」(栄養)を補って血行を促進し、水分の調整をする漢方薬で、生理痛や生理不順、更年期障害を緩和します。体力があまりなく、貧血症状や冷え症に悩む方におすすめです。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

滞った「血」の流れを整え、熱を取り去る漢方薬で、生理痛やイライラなどの精神症状を和らげます。比較的体力があり、のぼせて便秘しがちな方におすすめです。

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ただ、からだにやさしい漢方薬とはいえ、自分の体質に合っていなければ、よい効果が見込めないだけでなく、からだに負担を与える場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、購入時には、できる限り漢方に詳しい医師、薬剤師に相談してみてくださいね。

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生理前後の不調や更年期症状の改善を目指そう!

中村さんは今まで行ってきた食事や運動の工夫に加えて、ツボや漢方も試してみることにしました。

今までとは違う生理痛や生理前後の症状に悩む女性は多いと思います。そのようなときは、手軽にできる改善方法から試してみて、不調の改善を目指してみてください。

監修者
あんしん漢方薬剤師
碇 純子
薬剤師。漢方薬生薬認定薬剤師 。理学博士、薬学修士。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科修了。漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。