花粉症

今年のスギ花粉は大量飛散の予報、眠くならない抗ヒスタミン剤の処方もお勧め

公開日:2023-04-01
更新日:2023-04-07
今年のスギ花粉は大量飛散の予報、眠くならない抗ヒスタミン剤の処方もお勧め
病気・治療
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国民病といわれるスギ花粉症の季節がやってきました。2019年に実施された全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした調査によると、スギ花粉症の有病率は38.8%。08年の前回調査時の26.5%よりも大きく増えています。

日本には昔からスギ花粉症があったわけではなく、初めて確認されたのは1964年のことでした。自動車の排ガス中に含まれる「ディーゼル排気粒子(DPE)」が、その症状を悪化させている可能性が高いことも分かっています。そのため、東京都では99年に石原慎太郎知事が「ディーゼル車NO作戦」を展開しました。

日本でスギ花粉症に関連する医療費は毎年約3000億円に上るとも言われています。今後、電気自動車が普及すればスギ花粉症の患者さんには福音になるだけでなく、増え続ける医療費の削減にもなります。さらに地球温暖化の防止にもつながるならば、一石三鳥と呼べるかもしれません。

さて、スギ花粉の飛散量は前年の夏の気象に大きな影響を受けることが知られています。日照時間が長くて雨が少ないと翌春の飛散量が多くなるのです。さらに、スギ花粉の飛散が少なかった翌年も飛散量が増える傾向が認められています。昨夏の日本は梅雨前線の活動が弱くて6月の降水量が少なく、7月上旬も晴れの日が続きました。そのうえ、2021年~22年には花粉の飛散量が少なかったので、今年のスギ花粉の飛散量は多くなると予想されています。

気象庁でもすでに、四国、近畿、東海、関東甲信ではスギの花粉が非常に多く飛ぶ見込みだと発表しました。ご心配な向きは対策も早めの方がいいでしょう。花粉症の症状を抑える抗ヒスタミン剤には、服用しても眠気がほとんど起きない「第二世代抗ヒスタミン剤」も開発されています。日本でも広く使用されていますから、医師に相談して眠くならない抗ヒスタミン剤を処方してもらうこともお勧めします。

「健活手帖」 2023-03-15 公開
解説・執筆者
医学博士
中原 英臣
医学博士。新渡戸文化短期大学名誉学長、山野医療専門学校副校長、西武学園医学技術専門学校東京池袋校・東京新宿校校長。夕刊フジで「あの医療情報ウソ?ホント!」を連載。