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【ベストセラー健康本】自分に合う「かかりつけ医」の選び方『手術数でわかるいい病院2023』

【ベストセラー健康本】自分に合う「かかりつけ医」の選び方『手術数でわかるいい病院2023』
予防・健康
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全国の病院を対象に手術数を調べてランキングする『週刊朝日MOOKいい病院』(朝日新聞出版、1320円)。その最新号となる2023年版が出た。医者選び、病院選びの根幹となる情報満載のこのムック。今回のテーマは「かかりつけ医選び」である。

毎年春に発行され、「医療ムック」の先駆け的存在の本書は、単に手術数のランキングを紹介するだけでなく、読み物群が充実している。

編集長の杉村健氏は、「コロナ禍をきっかけに注目が集まった『かかりつけ医』について特集しました。かかりつけ医は紹介状のやりとりなどで、手術する病院の情報を把握しています。弊誌の手術数のデータを参考に、かかりつけ医に相談していただければ」と、今回の特色を語る。

そもそも「かかりつけ医」の意味を正しく知る人がどれだけいるだろうか。「大きな病気にかかったら大きな病院に行けばいい」と簡単に考える人が、いまも少なくない。

だが、何の準備もなくいきなり大病院を受診しても“いい顔”はされない。さすがに「帰れ」とは言われないまでも、最低でも初診料として7000円の特別料金(それ以上の場合が多い)を徴収され、予約外を理由に長時間、下手をすると半日以上待たされることも珍しくない。

なぜならこうした患者は、それまで検査を受けていないか、受けていてもその結果を持ってきていないため、病院で一から検査をし直さなければならず、これが大病院の医療効率を下げることにつながるからである。

「かかりつけ医」がいかに重要かを知っておきたい。自宅や勤務先周辺のクリニックなどに普段から通い、病歴や治療歴、生活習慣の特徴、服薬情報を把握してもらう。そしていま起きている症状から疑われる病気を、医師の目で検証し、詳細な「紹介状」を添えて大病院に送り届けるのが、かかりつけ医なのだ。

しかし日本医師会総合政策研究機構が実施した調査では、「かかりつけ医がいる」と答えた人は全体の55.7%に過ぎず、医療機能の棲み分けをはかりたい国の思惑は空回りの状態だ。

ならばどうすれば、自分に合ったかかりつけ医に巡り合えるのか。その疑問について、本書の特集では、プライマリケア(初期診療)の専門家が丁寧に答えてくれる。たとえば、1つの診療科に特化したクリニックよりは、広く浅く診てくれる総合診療医か、それが無理でも内科系の医師がいて、自宅からタクシーで1メーター程度の距離にある施設を選びたい。

日本人は病院の医師より開業医を「下」に見る傾向があるが、これは大きな間違いで、自分の医療情報を誰よりも詳しく知っているかかりつけ医は、医療における顧問弁護士のような存在だと認識すべきだろう。

他にも「今さら聞けないがんの基本Q&A入門編」「治療効果アップにつながる患者のコミュニケーション力」など興味深い特集が並ぶ。年に一度、このムックで医療知識をアップデートすることをお勧めする。

大きな病気が見つかったとき「かかりつけ医」にできること

□大きな病院に紹介すべき病気の見極め
□病気に適した「いい病院」の紹介や、その病院について患者への助言
□大きな病院で受けた説明で理解が追い付かなかった患者への説明、助言
□大きな病院で提示された治療法へ(これまでの既往や患者の生活背景を踏まえて)助言、セカンドオピニオン
□大きな病院の医師への質問の仕方の助言
□大きな病院で治療や手術を終えた後のフォローアップ(術後薬物療法など)
□在宅医療になった場合、関係性ができているので緩和ケアなども安心

「健活手帖」 2023-03-10 公開
解説・執筆者
医療ジャーナリスト
竹中 秀二
学生時代から食品業界の専門紙でアルバイト原稿を執筆。大学卒業後は出版社に勤務し、児童向け書籍や学術誌の編集を担当。その後フリーとなり、新聞、雑誌で医療健康関連の取材を重ねる一方、医療や芸能関連書籍の企画・編集・取材・執筆を行う。