目の老化対策で“若さ”を取り戻せ
形成外科専門医 西嶌暁生

50歳を過ぎると、物が見えづらくなる、目が重いなど、さまざまな不調に悩まされてくることでしょう。目の症状は単に視野の問題だけでなく、首や肩がこったり、姿勢をはじめとする所作が老けたり、おでこにシワが寄ったりと、アンチエイジングとも密接に関わっています。
これらの原因は、①眼球、②上眼瞼(まぶた)の2つの部位に大別されます。
目に入ってきた光は、角膜と水晶体を通過して網膜上に像を結びます。それらの視覚情報が、電気信号に変換されて視神経を通り、脳に伝わっています。
例えば、水晶体が濁る病気を白内障と呼びますが、高齢になれば誰にでも起きる症状ですし、物がゆがんで見える加齢黄斑変性という病気もあります。
眼の老化を防ぐには、大きく3つの方法があります。
1つ目は日光に気をつけることです。太陽光に含まれる紫外線や波長の短い青や紫の光は水晶体や網膜を傷つけます。なので、季節を問わず日常的に目を守ることが大切です。
日差しに強い日には帽子やサングラスを使用しましょう。特に昨今、スマホやパソコンからもブルーライトは出ているの要注意です!
2つ目は禁煙です。50歳以上の男性は3人に1人は喫煙しています(31.8%、厚生労働省国民健康・栄養調査、令和元年)。
喫煙は、活性酸素を増やし、毛細血管を傷つけて血行を悪くし、慢性的な栄養不足を引き起こすのです。
そして、3つ目がバランスのいい食事です。活性酸素の悪影響を軽減するための抗酸化作用のある栄養が効果的です。
特にビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、アントシアニンなどが目にいいとされています。
まぶたの老化には、眼瞼下垂症があります。これは眼を開ける筋肉や膜が弱ることで、眼が開けにくくなる病気です。
それを代償しようとして、前頭筋(おでこの筋肉)を寄せるので結果的におでこに深いシワが刻まれてしまいます。
眼瞼下垂症は症状や原因により、保険適応で治療することもできるので、心配な方は専門医に相談してみるのがよいでしょう。
では、まぶたの老化(眼瞼下垂)の予防法を見てみましょう。
■コンタクトレンズはソフトを選ぶ
まず、まぶたを強くこするマッサージはNGなので、かゆいときにもまぶたをこすらないことも重要です。また、コンタクトレンズが瞼の裏から機械刺激で眼瞼挙筋腱膜に直接、負担をかけていることが原因という報告もあるので、ハードよりもソフトコンタクトのほうがいいといえます。
さらに、コンタクトレンズの着脱の際は、上まぶたを無理に指で持ち上げたりせずに、できるだけ下まぶたを引いて着脱するようにしましょう。
メガネを併用して長時間のコンタクトレンズ使用を避ける方法も良いでしょう。
目の老化を防ぐポイント
☆目の老化の3大予防法は、①遮光②禁煙③バランスのよい食事
☆まぶたの老化はおでこのシワと関係している
☆まぶたをこす擦るマッサージはNG、コンタクトレンズはソフトを選択