コロナ時代の男女関係は難易度アップ
新型コロナウイルスの流行は、世の男女関係にも大きな変化をもたらしました。マスク着用が当たり前になり、顔の7割が隠れた状態で互いにアピールするようになったことで、その難易度が上がったのです。
私は形成外科医ですので、主な仕事場は手術室でした。手術室では、全員が同じサージカルマスク、帽子、手術着を装着しており、他人を視覚的に認識する情報はわずかに露出した目周りと体形だけです。
ですので、忘年会や新年会で初めてその人の素顔をみるなんてことがよくありました。そんな中、男女を問わずよく耳にしたのは、「手術室で想像していた印象と違う」という言葉でした。これは、全体像を補完する脳の力と顔面の黄金比が原因と考えています。
刷り込まれた理想の顔面を脳が補完
そもそも、私たちが目にする風景は、無数の物体が重なり合って構成されています。よって多くの場合、物体の一部は前面の物体によって遮蔽されていて、その全体像が見ることはできません。にもかかわらず、私たちはいとも簡単に隠れた部分を補完し、個々の物体の全体像を即座に把握することができます。
それは、脳の視覚野において、遮蔽物の裏にあたかもそこに物体が見えているかのように、脳が活動するためです。
私たちはメディアなどにより日常的に美男美女のイメージを与えられ、無意識のうちに「こうありたい」という顔面の理想像を想像しているのです。
かっこいいといわれる顔立ちには、黄金比が関係しています。黄金比とは、視覚的に顔面の各パーツのバランスが取れており、誰が見てもかっこいいと感じる比率のことです。
すなわち、あらかじめわれわれに植え付けられた黄金比の知識により、脳が勝手に“視覚から遮断されたマスクの下”を補完するため、「マスク美人・美男」が生まれるのです。
では、マスクで顔を隠した状態で気を付けることは何でしょう。
マスクを外したとき、男性の場合は口周りの無精ひげ、男女ともに歯の黄ばみがあると、相手は“理想”とのギャップに幻滅してしまいます。
また、ニオイは特に女性が敏感に気になるポイントです。ニオイは誰にでもありますが、デオドラント靴下やせっけんを使うなど、不快なニオイを抑えるための気遣いを持てるかが試されています。
50歳を過ぎたら、加齢臭ありきで対策をしましょう。
その他にも、「フケ」「爪」「靴」「かばん」なども見られています。
ちなみに、私の友人の銀座ママによると、女性が男性を見るときの順番は「顔→髪→肌→歯→手→服装→持ち物→座り方」とのことです。
☆脳の機能と刷り込まれた顔面の黄金比がマスク美人・美男を作る
☆マスクの下で見えない顔面の下半身こそお手入れを
☆女性が男性を見る順番は「顔→髪→肌→歯→手→服装→持ち物→座り方」