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【教えて愛先生|食薬習慣】良質な睡眠のため夜10時以降の飲食は控めに

公開日:2023-03-31
更新日:2023-04-01
【教えて愛先生|食薬習慣】良質な睡眠のため夜10時以降の飲食は控めに
予防・健康
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世の中が動き始めたというのに、年末年始にこじらせた風邪などの体調不良が気になる方がいるのではないでしょうか。

日ごろの生活リズムが乱れた上に、急な冷え込みも体を襲います。こうしたとき、すぐに風邪をひいてしまう人と全然風邪をひかない人がいると思いますが、できる限り「風邪をひきにくいタイプ」でいたいですよね。

基礎疾患や既往歴などの影響もありますが、普段の生活習慣が今のわれわれの体を作っています。そのため、食事・睡眠・運動・ストレスなどの環境に気づかい、自分にとってよい状態を保つことができれば、健康の基礎が構築できます。

体が弱いタイプだと感じている人は、日ごろの生活に見直すことのできる部分がないか、チェックしてみましょう。

「今年は本気で体質改善をしよう」と考えるなら、いますぐ改善できる行動パターンは意外と多いものです。ということで、すぐ風邪をひいてしまう人のために「体」の状態を整える食薬習慣をご紹介しましょう。

 

夜10時以降の食事を控え体の基礎を強化

この1週間は、親しい人たちと飲みに出かけたり、お正月特番をテレビで見ながら晩酌をしたりと、遅い時間に食事をとる機会が増えた方も多いのではないでしょうか。

その上、仕事が始まった途端、長期休暇で溜まった分の業務が一気にふりかかり、やむなく遅めの夕食をとることもあるかもしれません。

体が弱い人は要注意です。午後10時以降の食事は、体内時計を後退させ、睡眠の質を低下させてしまいます。

この時間しか食べられないという方も、糖質と脂質を抑えた食事にしましょう。良質な睡眠は、脳や体の疲労を解消する体のメンテナンスにとって必要不可欠です。体を強くしたいと考えるときには、まずは良質な睡眠をとれるような環境と体づくりを徹底することが近道となります。

 

冬の到来で風邪をひく人の食薬習慣

大切なことなので、もう一度。良質な睡眠が私たちの体を強く元気にしてくれます。そのためには、日中に睡眠の質が向上する行動をとる必要があります。

夜になるにつれ、「今日は早く寝られますように」と念じただけでは良質な睡眠はとれません。むしろ「寝なければならない」とプレッシャーになり睡眠の質が低下してしまうこともあります。そこで、食薬の観点から睡眠の向上につながる方法を紹介していきます。

まず、朝に温かい緑茶を飲みましょう。

抗菌作用の高い生姜をプラスして生姜緑茶にするとさらに◎です。緑茶に含まれるカテキンは、体内時計に影響し朝を体に知らせてくれます。

そして、夜にはイカの塩辛やマグロやタコの刺し身、カニ缶、ガーリックシュリンプなど体内時計に作用するグリシンを含む魚介類を取り入れてみましょう。

体調が怪しくなる前に体の土台作りをしっかりしておくことが元気の秘訣です。

「健活手帖」 2023-01-07 公開
解説・執筆者
薬剤師、国際中医師
大久保 愛
食薬の第一人者、薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師、日本初の国際中医美容師、薬膳料理研究家、作家、アイカ製薬代表取締役。未病を治す専門家としてAI漢方・食薬相談システム『CrowdSalon』開発や『食薬アドバイザー』資格養成、商品開発、企業コンサルティングなどに携わる。著書『心がバテない食薬習慣』は発売1カ月で7万部突破のベストセラーに。著書多数。https://crowdsalon.com/。