加齢やストレス、不規則な生活習慣から、「胃の不調」を訴える人が増えている。日本人の51%が「ウィズコロナを背景に胃の不調を感じている」(健康サイト「マイライフニュース」のヒューマン・データ・ラボラトリ社調べ)という。そこで重要になるのが「胃活」である。簡単なマッサージで「胃をもむ」ことで不調が改善する―という本が話題になっている。
一口に「胃の不調」といっても、その症状は多岐にわたる。食欲不振、食欲はあるけれど食べられない、食べてもすぐに満腹になる、胃もたれや胸やけがする、胃が痛む、便秘…。そんな不快な症状をマッサージで解消しようというのが、『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』(アスコム刊)だ。
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著者はあん摩マッサージ指圧師としてメディアへの登場も多い寺林陽介氏=顔写真。監修は東洋医学に詳しい内野勝行医師。食事の前に1分間、胃のマッサージをするだけで、胃の不調を改善に導く手順を分かりやすく解説している。
「胃は消化の1丁目1番地」という寺林氏は、近年よく言われる「腸活」よりも、まず「胃活」に力を入れるべきだ―と訴える。ストレスや自律神経のアンバランスの影響を受けやすい胃は、簡単なマッサージで環境が整い、正常に動き出せば消化力だけでなく、免疫や活力も上昇に転じるというのだ。
その「簡単なマッサージ」の1つが「胃をグリグリするマッサージ」(別項参照)。毎食前に行うだけで胃が自然に動き出し、久しく聞いていなかった「グーッ」という音が聞こえるという。そもそもこのマッサージで刺激する範囲には数多くの「ツボ」があるので、あまり神経質になる必要はない。正確さを求めるよりは、毎食前のルーティーンにしてしまうことが重要なのだ。
著者の指導でこのマッサージを取り入れた人からは、「下痢をしにくくなって、胃のむかつきもなくなった」「体のだるさ、重さが大幅に改善し、胃の上部にあった違和感もなくなった」「胃もたれしにくくなったので胃薬を飲まなくなった」―などの声が寄せられているという。お金のかからないマッサージで胃薬代が浮くなら試してみない手はないだろう。
「何歳になってもおいしくご飯を食べたい、胃のムカつきや胃もたれをなんとかしたい、胃薬をやめたいという方におススメです。ぜひ試してみてください」と語るのは本書を担当したアスコム編集部の栗田亘氏。
他にも全身の血流を改善するマッサージ法が紹介されているので、胃だけでなく、さまざまな不調に悩まされている人に親切な1冊である。
『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』(アスコム)1320円
胃をグリグリするマッサージ
- おへそに指をあてる→親指以外の4本の指を第二関節で曲げ、小指の第一関節をおへそにピタリと乗せると、中指が「下脘」というツボに当たる。この状態から手をぐっとおなかに押し込むようにして、上下にグリグリともむ
- 上下に動かしながら「胸骨」までもむ→手を上下に動かしつつ、次第に上方の胸骨に向けて揉む範囲を動かしていく。おなかの中央には胃の症状に効く「中脘」、胸骨の下には「上脘」というツボがあるので、それを意識してもむ
- 何度も往復してしっかり刺激→人さし指が胸骨に当たったら、今度はおへそに向かってマッサージ。おへそと胸骨の間を10往復をめどにマッサージする