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【ベストセラー健康本】「胃活」マッサージで不調を克服できる 『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』

公開日:2023-03-31
更新日:2023-04-01
【ベストセラー健康本】「胃活」マッサージで不調を克服できる 『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』
予防・健康
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加齢やストレス、不規則な生活習慣から、「胃の不調」を訴える人が増えている。日本人の51%が「ウィズコロナを背景に胃の不調を感じている」(健康サイト「マイライフニュース」のヒューマン・データ・ラボラトリ社調べ)という。そこで重要になるのが「胃活」である。簡単なマッサージで「胃をもむ」ことで不調が改善する―という本が話題になっている。

一口に「胃の不調」といっても、その症状は多岐にわたる。食欲不振、食欲はあるけれど食べられない、食べてもすぐに満腹になる、胃もたれや胸やけがする、胃が痛む、便秘…。そんな不快な症状をマッサージで解消しようというのが、『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』(アスコム刊)だ。

著者はあん摩マッサージ指圧師としてメディアへの登場も多い寺林陽介氏=顔写真。監修は東洋医学に詳しい内野勝行医師。食事の前に1分間、胃のマッサージをするだけで、胃の不調を改善に導く手順を分かりやすく解説している。

「胃は消化の1丁目1番地」という寺林氏は、近年よく言われる「腸活」よりも、まず「胃活」に力を入れるべきだ―と訴える。ストレスや自律神経のアンバランスの影響を受けやすい胃は、簡単なマッサージで環境が整い、正常に動き出せば消化力だけでなく、免疫や活力も上昇に転じるというのだ。

その「簡単なマッサージ」の1つが「胃をグリグリするマッサージ」(別項参照)。毎食前に行うだけで胃が自然に動き出し、久しく聞いていなかった「グーッ」という音が聞こえるという。そもそもこのマッサージで刺激する範囲には数多くの「ツボ」があるので、あまり神経質になる必要はない。正確さを求めるよりは、毎食前のルーティーンにしてしまうことが重要なのだ。

著者の指導でこのマッサージを取り入れた人からは、「下痢をしにくくなって、胃のむかつきもなくなった」「体のだるさ、重さが大幅に改善し、胃の上部にあった違和感もなくなった」「胃もたれしにくくなったので胃薬を飲まなくなった」―などの声が寄せられているという。お金のかからないマッサージで胃薬代が浮くなら試してみない手はないだろう。

「何歳になってもおいしくご飯を食べたい、胃のムカつきや胃もたれをなんとかしたい、胃薬をやめたいという方におススメです。ぜひ試してみてください」と語るのは本書を担当したアスコム編集部の栗田亘氏。

他にも全身の血流を改善するマッサージ法が紹介されているので、胃だけでなく、さまざまな不調に悩まされている人に親切な1冊である。

 

『死ぬまで楽しく食事をしたけりゃ胃をもみなさい』(アスコム)1320円

胃をグリグリするマッサージ

  1. おへそに指をあてる→親指以外の4本の指を第二関節で曲げ、小指の第一関節をおへそにピタリと乗せると、中指が「下脘」というツボに当たる。この状態から手をぐっとおなかに押し込むようにして、上下にグリグリともむ
  2. 上下に動かしながら「胸骨」までもむ→手を上下に動かしつつ、次第に上方の胸骨に向けて揉む範囲を動かしていく。おなかの中央には胃の症状に効く「中脘」、胸骨の下には「上脘」というツボがあるので、それを意識してもむ
  3. 何度も往復してしっかり刺激→人さし指が胸骨に当たったら、今度はおへそに向かってマッサージ。おへそと胸骨の間を10往復をめどにマッサージする
「健活手帖」 2023-01-20 公開
執筆者
医療ジャーナリスト
竹中 秀二
学生時代から食品業界の専門紙でアルバイト原稿を執筆。大学卒業後は出版社に勤務し、児童向け書籍や学術誌の編集を担当。その後フリーとなり、新聞、雑誌で医療健康関連の取材を重ねる一方、医療や芸能関連書籍の企画・編集・取材・執筆を行う。