高血圧の現状と危険性
30歳以上の日本人の半数近くが高血圧であるとも言われるが、生活習慣に起因するため、なかなか改善できないことも多い。そんな高血圧を1週間で、しかも「自然に」下げる生活習慣改善を専門医が教えてくれるのが『血液循環の名医が明かす! 1週間で血圧が自然に下がる本』(宝島社刊、1320円)だ。
動脈硬化、脳出血、心筋梗塞や心不全など重病のリスクを上昇させる高血圧。理解はできてもどうやって下げればいいのか。自覚症状が少なく「サイレントキラー」とも言われる厄介な存在でもある。
1週間で血圧を下げる生活習慣

本書では、高血圧の専門医で日本歯科大学客員教授の渡辺尚彦さん=写真=監修のもと、生活習慣を「少し変えるだけ」で血管をゆるめ、血圧を下げることにつながる理論と対策を、分かりやすく、実践しやすい方法で教えてくれる。
本書で渡辺医師が掲げる血圧を下げる生活の秘訣は次の5つ。
- 急激な動きをしない
- 温度差を作らない
- 適度に休む
- 軽い運動をする
- リラックスを心がける
これらは高血圧に限らず、さまざまな健康的な生活に共通するものとも言える。この5項目を基に、食事・生活習慣・運動・心を整えるといったテーマごとに、1週間の血圧を下げるための具体的な生活術が紹介されている。
血圧を下げる親切なスケジュール提案
どんなメニューを食べて、どんな運動をして、入浴や睡眠はどのようなスタイルがいいのかが、曜日ごと時間帯ごとに細かく提案されている。つまりこれに沿って過ごすことで血圧を下げる1週間を送ることができるという親切なつくりだ。
さらに、血圧を下げるための1日の過ごし方が平日と週末に分けた円形スケジュールで見やすく表示されている折り込みポスターも付いており、これを見れば今の時間はどう過ごせばいいのか一目で分かる。
専門医が提案する「5カ条」
著者の渡辺医師はこう語る。
「私は父親を高血圧に起因する腎不全で亡くしたことをきっかけに高血圧診療を目指すようになりました。私が提唱する『血圧を下げる5カ条』(減塩、運動、リラックス、良い睡眠、メンタル)について、イラストや図解をふんだんに使いわかりやすく紹介しています。血圧が高くて心配されている方や、ご家族に血圧が高い方がおられる方にはぜひご一読を勧めたいです」
健康的な日々を送るために
日常の食事で塩分が高めとなる日本人は高血圧になりやすいと言われる。それだけに多くの人がそうなりうる可能性を持つもので、そこにどう向き合うかによって、その先の健康な生活にも大きな影響を及ぼすだろう。血圧を下げ、健康的な日々を送っていきたい。
脱高血圧1日のルーティン
[朝]ゆっくり1日をスタートさせる
…起床時にいきなり起き上がらない、ぬるま湯で洗顔など
[昼]休憩をとりながら体を動かす
…座りっぱなしでなく軽い体操を。忙しいときは深呼吸など
[夜]リラックスして十分に睡眠を
…ぬるめのお湯に入浴、しっかり睡眠をとるなど
※本書から引用・抜粋