最近、風邪の症状が続いていて、何をやるにも気力がない感じに悩んでいます…。
里子さん(51歳)は近ごろ頻繁に風邪をひくことに悩んでいます。
「風邪をひくと治るまでに時間がかかるようになった」「やっと治っても体力や気力が低下したままで、またすぐに体調を崩してしまう…」
仕事や家庭にも影響が出ており、このままではいけないと対策を探していますが、なかなか見つからず困っています。この記事では、そんな里子さんにぜひおすすめしたい「風邪に効果的なツボ」や「漢方薬」を紹介します。
風邪はツボ押しで対策できる
ツボは東洋医学の考え方で、からだの中を巡る「経絡」の要所です。
「経絡」とは人間の生命活動を支える「気」(エネルギー)の通り道のこと。この「気」が滞ると、さまざまな不調が起きるとされています。
風邪をひきやすくなるのも、「気」が滞り、からだの免疫力が低下していることが原因と考えられています。
そのため、ツボを刺激することで「気」の流れが整うと、からだの機能が高まって風邪の悪化予防や早期回復に役立つのです。
科学的に未解明な部分も多いツボ押しですが、WHO(世界保健機関)でもツボの存在が認められており、一定の効果が期待できるといわれています。
また、ツボ押しを覚えておくと、風邪だけでなく鼻炎や頭痛などの不調のときにも対処できます。「長引く風邪の症状を楽にしたい」「気軽な方法でからだの不調をケアしたい」と考えるなら、ツボ押しを日々の生活に取り入れるのがおすすめです。
風邪におすすめのツボ押し2選
風邪のときにおすすめのツボを2つ紹介します。
感冒点(かんぼうてん)
風邪のときにぜひ試していただきたいツボが「感冒点」です。
感冒点の効果
呼吸器系の働きをよくして、からだに侵入しようとする病のもとを取り除く効果が期待できます。
ツボの位置
「感冒点」は、手のひらの親指と人差し指の間をたどって指が止まるあたりに位置します。手の甲の同じ位置にある「合谷(ごうこく)」と一緒に押すとより効果的です。
ツボの押し方
風邪のひき始めや呼吸器系の不調があるときに「感冒点」と「合谷」を押しましょう。人差し指と親指でツボを押さえ、5秒かけて鼻から息を吸い、10秒かけて口から息を吐き出しながら刺激します。
吸った空気を手のツボまで届けるようなイメージで呼吸をしましょう。
上迎香(かみげいこう)
風邪で鼻がつまって苦しいときにおすすめなのが「上迎香」です。
上迎香の効果
鼻の通りをよくする効能があり、鼻の疾患によく使われるツボです。
ツボの位置
鼻の穴の両わき(鼻翼)の上の凹んだところにあります。
ツボの押し方
鼻づまりが気になるときに、反対側の耳たぶへ向けてななめ45度くらいの方向へ押しましょう。強く押すより、長く押すことを意識して、1分ほど押し続けてみてください。
そのときに5秒かけて押しながら鼻から息を吸い、10秒かけて力を抜きながら口から息を吐き出します。ゆっくり長く押すことで、鼻の通りやすさを実感できます。
就寝時やマスクでの外出時であれば、ツボ押し用のシール鍼の利用もおすすめです。
ツボを押すことのもうひとつのメリットは、からだのケアを意識するきっかけになることです。ツボ押しを取り入れながら、からだが温まるような食事や服装などのセルフケアも心がけましょう。
風邪の対策には漢方薬もおすすめ
風邪対策には、ツボと同じく東洋医学の考え方に基づく漢方薬もおすすめです。
漢方薬は体質と症状に合ったものを服用することで、風邪症状の悪化を防いだり、治ったあとの体力や気力の回復を助けたりします。
また、自然由来の生薬がからだに優しく働きかけるため、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされています。
さらに、漢方薬は根本原因に働きかけ、風邪をひきにくい体質を目指すことも可能です。寒気のある場合には「からだを温めて免疫力を上げる」働きを持つ、生薬を含む漢方薬を選ぶといいでしょう。
風邪をひきにくい体質を目指すなら、「消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届け、からだと心を元気にする」働きをもつ漢方薬を体質に合わせて選びます。漢方薬は毎日飲むだけなので 、手軽に取り入れやすい対策方法のひとつです。
風邪対策におすすめの漢方薬
葛根湯(かっこんとう)
漢方薬の代表的な風邪薬ですが、一般的な総合感冒薬とは違い、眠くなる成分が含まれていないのが特徴です。からだを温める作用があり、風邪のひき始めの寒気や頭痛、肩こりなどに効果的です。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを高めて体力を回復させ、元気を取り戻すのを助けます。風邪が治ったあとの疲労倦怠感や食欲不振に効果的です。
漢方薬は、その人の体質や症状に合わせて処方されることが基本です。漢方薬を試したい場合は漢方の専門家や医師に相談し、アドバイスをもらうことをおすすめします。最近では、オンラインで自分に合った漢方薬を簡単に見つけられる「あんしん漢方」というサービスもあります。漢方に精通した薬剤師がAIを駆使し、あなたの体質や症状に合わせて漢方薬を提案。自宅にいながら、自分に合った漢方薬をリーズナブルな価格で受け取れるサービスです。
ツボ押しで長引く風邪にアプローチしよう
風邪をよくひいたり風邪が長引いたりするのは、「気」が滞り、からだの機能が低下しているのが原因かもしれません。そのようなときは、ツボ押しや漢方薬などの東洋医学でのアプローチが効果的です。
ツボ押しと漢方薬はどちらも手軽に始められ、継続しやすい方法です。ぜひ毎日のケアに取り入れ、風邪を恐れない元気な日々を手に入れましょう。