いよいよ本格的な冬の到来だ。夏から秋、秋から冬という季節の変わり目を迎えるころになると、なんとなく調子が悪い、眠い、だるい、やる気がおこらない、そんな経験をしたことはないだろうか。
季節の移ろいにともなう気圧や気温の変化によって起こる心身の不調。ときに「気象病」とも呼ばれることもある気候の変化に悩まされる症状の原因のひとつは、自律神経の乱れによることが多いと言われる。
自律神経の乱れと季節の影響
大脳生理学や心理学に精通、世界的アスリートのメンタルサポートや企業研修などを通じて自律神経の不調に向き合ってきた教育会社・脳レボ代表の川谷潤太さんは、自律神経の乱れによって現れる症状の特徴について、「一番多く見られ、分かりやすい症状は頭痛ですね」と語る。
「頭痛のほかには、めまいやイライラ、動悸、耳鳴り、だるさ…風邪に似た症状なども見受けられるため、その判別が難しいこともあります」(川谷さん・以下同)
冒頭に記したような、なんとなく調子が悪い、やる気が出ない、眠い、だるいといった変化も、季節の変わり目が引き起こす自律神経の乱れが原因である可能性が高い。
気付かぬうちに悪化する危険性
「人によってそれぞれ『症状』として感じる部分は異なりますが、だるさや気分の落ち込みも、『なんとなく』としてとらえてしまうことで、様子見、放置してしまうこともあります。そうすることで気付かぬうちに症状の悪化をまねいてしまい、ときにはうつ症状などに発展することもあります。影響を受けやすい季節の変わり目には特に注意が必要です」
季節の変化による不調は、それぞれ少しずつ症状が微妙に異なってくる。川谷さんは言う。
「冬から春にかけての不調は、シンプルに花粉症であることもあります。一番急激な変化が起こるのが、秋ですね。夏からの気温の降下とともに、台風によって起こる急激な気圧の変動、これが大きいです」
冬の季節の自律神経の影響
では台風シーズンも終了したこれからの冬の季節については、季節の変化にともなう自律神経の乱れについて心配する時期を過ぎたと安心していいのだろうか。
「冬場もやはりその季節なりの影響を受けやすい季節といえますので、安心しないほうがいいと思います」
まず、気温差が実は出やすい季節であることだという。
「寒い屋外と暖房で暖かな屋内。真夏と逆のパターンですが、温度差のギャップが大きい季節であるので、交感神経が刺激され、自律神経に負荷がかかりやすい状態が生み出されやすい季節といえます」
加えて、気温が低いことで、全身の血管が収縮し血行が悪くなるなどの影響もみられるのがこの季節の特徴だ。