食べ物を残したり、冷蔵庫などでダメにしてしまった食材を捨てたことは誰でもあると思います。食品ロスについて環境省は今年6月、「令和4年度の食品ロスの発生量は約472万トン(うち家庭系約236万トン、事業系約236万トン)と推計された」と発表しています。
食品ロスの現状と環境への影響
世界では1年間で約25億トンの食品が廃棄されていて、これは作られた食品の約40%と言われています。食品ロスは、「もったいない」というだけでなく、廃棄した食品を焼却処分する際に二酸化炭素を発生させ、環境負荷の増大にもつながります。
世界的に食糧不足が懸念されていますが、食品ロスの改善は、食糧不足の対策としても重要です。日本政府も食品ロスへの対策を打ち出していますが、食品会社、家庭、個人での意識や取り組みも重要です。
食品ロス対策としての新商品
食材を無駄にしない素敵な商品をファミリーマートで発見しました。「沖縄県やんばる産パイナップルの芯」(268円で購入)です。パッケージには、「ニッポンエール」と書かれ、「沖縄県やんばる産パイナップルの芯を蜜漬けして食べやすいひとくちドライフルーツに仕上げました」と記載されています。
本来、パイナップルの芯は果汁向けに搾汁しています。その残渣(ざんさ)は飼料として活用されているそうですが、新たな活用として、パイナップル生産者の生産意欲と収入の向上に貢献したいという思いから開発されました。
「ニッポンエール」とは
「ニッポンエール」はJA全農のブランド名で、日本を元気に豊かにしたいという思いから、さまざまな企業と連携し、日本の農畜産物の新たな価値を創造することを目的としています。
袋を開けてみると、丸い芯がスライスされたタブレットのような形のドライパイナップルが入っています。1、2個、口にいれ、ゆっくり噛んでいると、パイナップルの甘みと糖分の甘みが程よくじゅわっと出てきます。
パイナップルの新たな楽しみ方
1袋30グラムあたりのエネルギーは105キロカロリーとそれほど高くありません。しっかりとした繊維の食感があり、普段食べているパイナップルの果肉よりも食物繊維が口に残るのですが、やわらかく不思議な感覚です。
食物繊維は、血糖値上昇を抑える働きのほか、腸管を刺激し、便通の改善にも効果が期待できる栄養素です。また、パイナップルは、むくみを改善するカリウムや代謝に必要なビタミンCなども豊富です。
食品ロス削減と健康効果
食材の新しい魅力やおいしさを発見することは、食品ロス対策や農業を元気にすることにもつながります。そうした視点から食品を探してみるのも面白いですね。