疲れやすい、なら食生活のバランスを見直す
「疲れやすいので、何を食べればいいですか?」というご質問を、講演などでもよくいただきます。残念ながら、これさえ食べておけばいいという食品はありません。食生活のバランスを見直すことが基本です。
適切なエネルギー摂取のほか、タンパク質(P)、脂質(F)、糖質(C)の比率であるPFCバランスや、13種類あるビタミン、多くの種類があるミネラル、食物繊維なども摂る必要がありますが、慢性的に不足する栄養素があると不調は出やすくなります。
ビタミンB1とCの不足には注意
ビタミンB1は糖質代謝に関わるため、主食や甘い物、嗜好飲料などを多く摂取している場合、ビタミンB1が不足し、だるさや疲労感を感じることがあります。
ビタミンCは多くの働きがありますが、ストレスで消耗しやすくなります。塩分(塩化ナトリウム)を摂り過ぎるとカラダがむくみ、だるさを感じますが、ナトリウムを排出するのはカリウムです。
女性に不足しがちな鉄の影響は大きい
女性に不足しがちな栄養素に鉄があります。体内には3~4グラムの鉄があり、このうちの75%ほどが赤血球の中のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンの構成成分として存在します(残りの25%は肝臓や脾臓、骨髄などに蓄えられています)。
鉄には酸素を全身に運ぶ働きがあるため、不足すると息切れや疲れやすさ、頭痛などを感じる原因になります。また、酸素が不足することで、思考力の低下、学習能力、記憶力などにも影響すると言われています。
1日の鉄の推奨量は30~49歳男性で7.5ミリグラム、女性(月経あり)で10.5ミリグラムです。鉄の多い食材と言われるレバー(豚)では100グラムあたり6.9ミリグラム、ほうれんそうでは0.7ミリグラム、プルーン(乾)1.1ミリグラムほど。推奨量を毎日摂取するのはなかなかの意識が必要です。
鉄を摂れるサラダ発見
ナチュラルローソンで「サプリサラダ 鉄・葉酸」というサラダを発見しました(454円で購入)。摂りずらい鉄や、赤血球をつくる働きのある葉酸の多く含まれる食材がのったサラダです。
蓋を開けてみると、甘いドライプルーン、ほうれんそう、ひじき、ビーツドレッシングと鉄が多い食材が組み合わさっています。ベースは、シンプルな大根の千切りとキャベツ、さらにゆで卵。ドレッシングの酸味とプルーンの甘味がいいアクセントで、全体がよくまとまっています。野菜量は1日の3分の1と見た目よりもボリュームがあり、食べ応えのあるサラダでした。
摂りずらい鉄を意識するだけで、なんだか健康に一歩近づいた気持ちになります。そんなサラダから始めてみてはいかがでしょうか。