「モツ」でスタミナ=全身持久力をつける
夏の過酷な暑さに加え、湿度、台風、ゲリラ豪雨と天候の洗礼を受け、疲れがたまっているこの時期は、「スタミナをつけよう」という言葉が適しています。
スタミナとは全身持久力、つまりパワーのことを指します。栄養バランスを取ることが大切ですが、スタミナをつけるには、ボリュームのある食事を食べられるチカラ、消化できる強い胃腸が重要です。
スタミナをつける食材として「モツ」があります。モツとは、豚や牛など動物類の内臓全般を指します。同じような言葉として「ホルモン」がありますが、こちらは豚や牛の腸を指しています。
モツは低カロリー、低脂肪、ビタミン・ミネラルを含む
モツの特徴として、いわゆる肉として普段食べている部位に比べて、低カロリー、低脂肪であることが多く、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいることが挙げられます。
例えば、豚レバー(肝臓)はレチノールが1万3000マイクログラム含まれていて、これはもも赤身部分の1000倍の量です。鉄は13グラムで赤身の25倍、亜鉛は6.9ミリグラムで3倍、葉酸は810倍、ビタミンCは20倍含まれます。部位にもよりますが、栄養バランスをしっかりと摂ろうと考えた場合、モツを選択するのは賢い方法です。
とはいえ、モツといえば、焼肉やもつ鍋、モツ煮など限られた料理が多く、家庭料理として作ることも少ないうえに、外食でも手軽に食べられるところはあまりありません。
外食で手軽に食べられる「にんにくモツライス本店」
そう考えながら東京の葛飾区を歩いていたら、目立つ看板を見つけました。「にんにくモツライス本店」です。
店頭の券売機には、「モツライス」の大・中・小のメニューが並んでいました。今回選択したのは、モツ150グラム、ライス250グラムと書かれている「モツライス・小」(800円)です。ちなみに「大」はモツ250グラム、ライス400グラムで1000円、「中」はモツ200グラム、ライス300グラムで900円でした。
さらに、ねぎ(輪切ねぎ)の有無、ニンニクの量、辛味噌の有無が選べます。今回はネギ入り、ニンニク普通、辛味噌入りとしました。ネギやにんにくにはアリシンが多く含まれ、体内で疲労回復に必要なビタミンB1を長期に保つ効果があります。抗菌作用なども期待でき、さらにスタミナをつけることができます。
スープとともに出てきたモツライスは、刻んだ生ニンニクが大さじ1杯ほどのっていて、人と会う前には注意が必要かもしれません。パンチの効いた生ニンニクの鮮烈な辛さと香り、臭みのない豚モツのとろけるまで煮込んだ食感が本当にいい調和をしています。
考えてみれば、モツ煮がライスにのっている料理はあまり見たことがないですが、組み合わせは最高です。「スタミナつけようかな」という気持ちになったとき、モツでライスをかき込む。なかなか良い方法です。