だるさから抜け出すために必要な「腎活」の方法
「これだけは譲れない!」というほど重要なことを「肝腎かなめ」という。人間の体にとって、「肝」と「腎」はそれほど重要な臓器なのだ。中でも体の濾過(ろか)装置として働き続けている「腎」の不調は「だるさ」に直結する。何とか克服できないものか。
今回紹介する本は、その名も『だる抜け ズボラ腎活』(ワニブックス刊、1650円)。著者の大久保愛さん=写真=は漢方薬剤師、国際中医師として薬膳レシピの開発に取り組む食薬の第一人者。本書はだるさから抜け出すために必要な「腎活」の方法の解説書である。
キャベツ1玉と塩こんぶを食べるだけで「腎活」
ここでいう「腎」とは、腎臓と副腎の総称。この腎が正常に、健康に働いているかどうかは、セルフチェック(別項)を見てほしい。該当する項目が多く、しかもだるさに悩まされているなら、すぐに腎活に取り組むべし。
そして本書が勧める腎活とは、キャベツ1玉と塩こんぶを食べるだけ—という「超」が2つ3つ付くお手軽健康法。キャベツと塩こんぶを食べることで、食物繊維による「出せる体」と美肌効果、余計な水分排泄によるむくみ改善、血糖値の急上昇を防いでだるさ解消、こもった熱の解消によるのぼせやイライラ払拭など、弱っている腎を改善する作用がもたらされるというのだ。
調理は簡単
キャベツの解毒効果と塩こんぶの抗酸化作用によって腎は救われる—と説く著者。その調理法はいたって簡単。
- キャベツ4分の1個をちぎる
- 大さじ1杯の塩こんぶと一緒にMサイズのフリーザーバッグに入れる
- しっかり揉む
たったこれだけの手間で腎活メニューができる。そのまま食べてもいいし、もうひと手間ふた手間加えてメインのおかずに仕上げてもいい。ちゃんとそのレシピまで本書では紹介している。シューマイやバンバンジー、豚バラ巻きや鮭レンジ蒸しなど、今夜のおかずに困った時に頼れる親切設計なのだ。
毎日キャベツをかじるだけ“だる抜け”
「腎は老化や不調と関わりの深い臓器で頑張るほど弱ります。毎日ぽりぽりキャベツをかじる、寝ながらでもいい。それくらいゆるくないとケアできないんです。だる抜けしたければ楽をしろ。うそみたいな本当の話です」と語るのは編集を担当したワニブックス書籍編集部の吉本光里氏。
ただでさえ酷暑によるだるさに襲われる日本の夏。せめてキャベツと塩こんぶを上手に摂って「腎に由来するだるさ」だけでも取り除いておきたいものだ。
「腎の健康度」セルフチェック
- 甘いもの、小麦製品、加工製品をよく食べる
- お酒やコーヒーを日常的に飲む
- 水分摂取量が1日1リットル以下
- 舌に厚い苔が付いている
- 舌の両脇に歯形が付いている
- 尿が濁っている
- 尿が泡立っている
- お腹が張りやすい
- おならや便のにおいがきつい
- 便器に便がべっとり付く(またはコロコロ便)
- おりもののにおいや色が特徴的、粘性が強い
- 体がむくみやすい
※当てはまる項目が多いほど腎が弱っている可能性が高い(本書から抜粋 )