50歳の肌のセルフケア、“最低限”の4つのポイント

50歳の肌のセルフケア、“最低限”の4つのポイント
エイジングケア
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本当によいもの(こと)を厳選して取り組む

スキンケアは肌にとって本当によいもの(こと)を厳選し、シンプルに継続することが大切です。以下の4つのポイントを押さえて取り組みましょう。

①スキンケアはあれこれ塗らない

まず「①スキンケアはあれこれ塗らない」です。ドイツ人建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエは「Less is more(レス イズ モア」という言葉を残しました。「余計なものはないほうがいい」と訳されることも多く、メンズ美容にも通じています。

スキンケアのアイテムには、界面活性剤が多く含まれ、肌の角質バリアや必要な皮脂まで奪ってしまうものもあります。私がセルフケアで最低限必要だと考えるのは、日焼け止めとせっけん洗顔の2点です。

②日焼け止めを使用する

次に「②日焼け止めを使用する」です。紫外線の量は5~9月にピークを迎えますが、実は1年中注意が必要です。紫外線ケアの基本は物理的に遮断することです。帽子や長袖の羽織でできるだけ肌を紫外線にさらさないようにします。吸汗・吸湿にすぐれた素材のものを選ぶと蒸し暑い夏でも快適に過ごせます。

地面からの照り返しや、衣類を通り抜けてくる紫外線を防ぐために補助的に日焼け止めを使用しましょう。日焼け止めは「SPF20~30、PA++」で「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」「せっけんで落とせる」と表示されているものを使います。

ウオータープルーフタイプはどうしても必要なときだけにしてください。「SPF50」や「PA++++」といった強い日焼け止めを使う必要はありません。

③純せっけんにこだわる

次に「③純せっけんにこだわる」です。多くの人がやりがちなのが、日に何度も洗顔すること。肌に重要な美肌菌(表皮ブドウ球菌)は洗顔のたびに流され、約12時間かけて元に戻ります。

しかし1日に複数回洗う人は、洗い流された美肌菌が完全に戻りません。洗顔するほど美肌菌は減ってしまうのです。皮膚に必要な皮脂まで落としすぎるリスクもあるので、洗顔剤で洗うのは1日1回で十分です。

洗顔剤は「純せっけん」を使いましょう。成分表示で「純せっけん分(99%脂肪酸ナトリウム)」「水、カリせっけん素地」などできるだけシンプルな設計になっているせっけんです。

純せっけんは弱アルカリ性、一方の肌は弱酸性のため、せっけんの成分は皮膚の酸で中和されて無力化します。そのため、角質のバリア機能を壊す力が弱く、皮脂を過剰に落としてしまうこともありません。

④無駄な毛を医療脱毛する

最後に「④無駄な毛を医療脱毛する」です。顔そりは皮膚の角質に刺激が加わるので、バリア機能がダメージを受けたり、皮膚が不必要に厚くなったりします。医療脱毛で毛量を減らすことでムダ毛のない清潔感を得ることもできます。また生涯にわたってラクができます。

これら4つを意識して、サステナブルな美容に取り組みましょう。

解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。