自分は認知症になりやすい?なりにくい?
100歳以上の人口が全国で9万人を超え、世界でもトップクラスの長寿国・日本。高齢になれば認知症になるリスクも高まるが、認知症は、なりにくい人、なりやすい人が存在する。自分はどちらのタイプなのか、どうにか防ぐことはできるのか。『認知症になりにくい人・なりやすい人の習慣』(Gakken刊、1540円)は「40歳からの30の習慣」を掲げている。
「認知予備能」を高める
本書では、意識を変え、認知機能の低下に抗う力「認知予備能」を高める努力について詳述している。
著者で多くの認知症患者を診察してきた横浜総合病院臨床研究センター長・横浜市認知症疾患医療センター長の長田乾医師=写真=は言う。
「寿命が延びることで認知症を発症する人も増えていますが、要介護状態にならずに人生を過ごすことは多くの人の望みです。実は国内外の研究では、認知症にはなりにくい人となりやすい人がいることがわかっています。認知機能低下への抵抗力を『認知予備能』といい、これを伸ばすことで認知症への対策ができるのです。運動習慣や健康管理、趣味や社会的交流を通して認知症を予防しましょう」
習慣から認知症の“傾向”を確認
本書では、誰でもすぐに確認できるさまざまな習慣を解説しながら、項目をチェックして改善に役立てられる。一例を挙げてみよう。
【頭をぶつけていないと認知症リスクは低い】
中年期に意識を失うほどの頭部外傷などがあると、数十年後に症状がでる可能性が高くなる。ぶつけないことがまず肝心。ぶつけた場合は軽視せず、念のため病院へ行くことも心がけたい。
【握力が強いと認知症になりにくい】
脳の神経細胞の多くが手と顔を動かすことに関わることから、手先を使ったほうがいい。また、握力が強いということは、それだけ脳神経を働かせることにつながる。
30の習慣に気を配ろう
他にも【70歳過ぎは小太りが認知症になりにくい】【友人や仲間とよく話をする人はセーフ!】など、自分がどうなのか確認してみたくなる30項目が、ずらりと並ぶ。
認知症になったときどうするか、ではなく、将来の発症リスクを可能な限りおさえたい。脳の機能は加齢とともに低下していくため、比較的若い読者でも、40歳から本書にある30の習慣に気を配りたい。その後の健康年齢がいかに長く楽しんで暮らしていけるかが変わってくることは間違いない。
認知予備能を鍛える習慣
- 歩幅を広げると認知症が遠ざかる…足だけでなく腕などの筋力アップにも。外出も楽しくなる
- 定期的な歯科受診で認知症リスクが低下…噛めないことで低栄養によるフレイルになる危険が
- 自分でお金を管理する人の認知症リスクは低い…家事や日常生活のすべてが認知トレーニングに。機械の操作に挑戦するものアリ
- 趣味とその仲間がいれば鬼に金棒…外出や人との会話など社会活動が大切。「推し活」などのときめきも大事
※詳しくは本書をご覧ください