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亜鉛が風邪に効くのは間違い? こんなことにも亜鉛の力

亜鉛が風邪に効くのは間違い? こんなことにも亜鉛の力
エイジングケア
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からだに必要不可欠なミネラルのうち、とくに重要といわれる「亜鉛」。あなたは、亜鉛とはどんなものか、ご存じですか?

実は、亜鉛はからだのさまざまな機能を維持するだけでなく、健康にとても役に立つ働きを持っています。ここでは、亜鉛の基礎知識から、亜鉛が不足することによって起こる問題、亜鉛の摂取のポイントまで、わかりやすく解説します。

亜鉛とは?

まずは、亜鉛の基本情報について見ていきましょう。

亜鉛が必要な理由

亜鉛はからだのあらゆる部分に存在する、人体に必要不可欠な栄養素です。骨、筋肉を始め、肝臓、腎臓、脾臓、眼球、そして微量ですが血液にも含まれます。

亜鉛は体内で合成したり蓄えたりすることができないため、慢性的に不足しがちで、常に必要量を外部から摂取する必要があります。

亜鉛の分類

亜鉛は、人体に必要不可欠な5大栄養素のうちのミネラルの一種で、200種類以上の酵素の構成要素です。人体は主に有機物や水分から構成されていますが、残りの4%がミネラルでできています。

ミネラルはさらに多量ミネラル、微量ミネラルに分類され、亜鉛は微量ミネラルに含まれます。「微量」だからといって摂取の必要性が低いわけではなく、多量、微量、どちらのミネラルも適切量をバランスよく摂取する必要があります。

亜鉛を摂取することで得られる効果

続いて、亜鉛による5つの効果を解説します。

味覚を正常に保つ

亜鉛は、舌や咽頭の粘膜にある「味蕾(みらい)」という、味を感じとるための器官の働きを正常に保つために必要です。味蕾は、10日という比較的早いターンオーバーで生まれ変わります。

亜鉛などのミネラルが不足すると、味蕾の新陳代謝に影響が出て、味覚が感じられなくなることがあります。味覚障害の約半数は亜鉛不足が原因といわれていて、亜鉛を適切に摂取することが重要です。

皮膚や粘膜の健康を保つ

亜鉛は、皮膚や粘膜にも多く存在しています。亜鉛は、タンパク質の合成、口腔内の免疫力にも関わっていて、皮膚や粘膜の健康を保つために欠かせない栄養素です。

亜鉛不足に陥ると、皮膚炎や慢性湿疹、爪の異常、口内炎といったさまざまな皮膚・粘膜トラブルなどが起こります。

からだの成長・発育を助ける

亜鉛は、細胞分裂や細胞増殖に関わっていて、成長にとても大事な栄養素です。成長ホルモンや性ホルモンなどの産生にも関係しています。亜鉛を正しく摂取することで、子供の健やかな成長を助けます。

亜鉛の不足は、低身長などの成長障害、男性の性腺、精巣の機能不全や発達障害、不妊症の原因になることもあります。

貧血を改善する

亜鉛は赤血球の生成にも関わっています。貧血は鉄分不足によるものだけでなく、亜鉛不足でも起こります。亜鉛が不足すると、赤血球の膜が壊れやすくなり、貧血が起こりやすくなるのです。

ただし、亜鉛を大量に摂取すると鉄や銅の吸収を阻害して逆に貧血になる場合があるので、過度な摂取は控えましょう。

免疫機能を維持する

亜鉛は、免疫細胞を活性化させる働きを持ち、免疫力の維持には欠かせないミネラルです。また、風邪に対しても一定の効果を期待できます。亜鉛は「風邪症状が起こってから24時間以内に経口摂取すれば症状期間を短縮できる可能性がある」といわれていて、風邪を防いだり治したりするとまでは言えないものの、風邪の初期段階に有効かもしれません。

しかし、亜鉛を服用する際は、副作用やほかの薬との相互作用には十分気をつける必要があります。

【参考】
「インフルエンザや風邪に対する天然物について知っておくべき5つのこと:科学的根拠は?」厚生労働省eJIM
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/26.html

亜鉛摂取のポイント

続いては、亜鉛の効果をより発揮しやすくするためのポイントを解説します。

食事からの摂取を心がける

基本的に亜鉛は、主に食事から摂取することが大切です。亜鉛は、とくに動物性食品、肉・魚介類に多く含まれます。豚のレバーなら80gで亜鉛が5.5mgほど摂取できます。ただし、亜鉛は吸収率が30%ほどなので、すべてが栄養として取り入れられるわけではない点には注意しましょう。

また、穀類・豆類に含まれるフィチン酸、青菜に含まれるシュウ酸、加工食品に含まれるリン酸塩は、亜鉛の吸収率を下げるので、これらの食品の過度な摂取には気をつけましょう。

亜鉛サプリメントの適切な摂取

補助的な摂取として、サプリメントを使うのもおすすめです。朝よりも夜のほうが亜鉛を吸収しやすいので、亜鉛不足を感じているなら夜にサプリメントを摂取しましょう。

食品で十分亜鉛を摂取しているなら、サプリメントで必要以上に取る必要はありません。亜鉛は体内で貯蔵できず、大量に摂取しても意味がないので注意しましょう。

亜鉛と相性のよい栄養素を摂取する

亜鉛と相性のいいビタミンC、クエン酸。これらの栄養素を一緒に摂取することにより、効率よく亜鉛をからだに取り入れられます。

ビタミンC、クエン酸は亜鉛の吸収率をアップさせてくれます。ビタミンC、クエン酸が多く含まれるレモン、グレープフルーツ、かぼす、ライムなどの柑橘系と一緒に摂取するのがおすすめです。

「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、亜鉛の1日の推奨量は、18歳以上で男性11mg、女性8mgです。この目安を大きく超えないように注意しましょう。

皮膚や粘膜の改善には漢方薬もおすすめ

亜鉛は健康的な皮膚や粘膜を保つのに欠かせない栄養素ですが、皮膚や粘膜をケアするなら漢方薬もおすすめです。

皮膚や粘膜の不調には、「血流をよくして皮膚や粘膜に栄養を届ける」「水分の循環をよくしてうるおいを与える」「炎症を鎮める」といったはたらきを持つ漢方薬を使用します。漢方薬は皮膚や粘膜の機能回復だけでなく、心とからだ全体を体質から改善することを得意としているのです。皮膚や粘膜の改善におすすめの漢方薬をご紹介します。

皮膚や粘膜ケアにおすすめの漢方薬

当帰飲子(とうきいんし)

カサカサした乾燥肌の人に適した漢方薬です。栄養を補い、肌に潤いをとり戻すことにより、湿疹や皮膚炎、かゆみを改善します。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

皮膚の赤み、炎症が気になる人におすすめの漢方薬です。からだにたまった余分な熱を追い出し、冷まして炎症を緩和します。


ただし、漢方薬は体質との相性が重要です。皮膚や粘膜ケアに適した漢方薬でも、体質によってはそぐわない、逆に副作用などが起こる心配もあります。体質をしっかり判断できる医師や薬剤師などの漢方のプロにおまかせして、正しく漢方薬を使用しましょう。

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まとめ

亜鉛はからだに必要不可欠なミネラルの一種で、不足してしまうとからだのさまざまな機能に影響が出てしまいます。亜鉛不足に陥らないためには、食事だけでなく補助的なサプリメントの使用もおすすめです。亜鉛をしっかり取り、健康的な生活を送りましょう。

解説・執筆者
医療ジャーナリスト
後藤 典子
一般社団法人日本サプリメント協会理事長。賢く選ぶ食と健康プロジェクト統括。同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。「ヘルスデザイン」をテーマに掲げ、健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス- Youtubeチャンネルでは、健康リテラシー向上のための情報を発信している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」の統括も行う。