むくみ 漢方 ツボ

むくみも改善!ツボ押しで簡単対策

むくみも改善!ツボ押しで簡単対策
エイジングケア
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和子さん(51歳・専業主婦)は最近、からだのむくみが気になっています。

とくに顔と足のむくみがひどく、マッサージやストレッチをしてはいますが、あまり効果を感じていないようです。

毎朝、むくみでパンパンになった顔を見るたびにため息が出ます。「もう朝、顔を見るのも嫌になってきました」と和子さん。

そんな和子さんは、むくみの改善方法としてツボ押しが気になっているようです。本記事では、和子さんにおすすめの「むくみ改善に効くツボ」についてご紹介します。

むくみにツボ押しが効果的な理由

むくみとは、余分な水分が皮膚の下にたまった状態です。人間のからだは約60%が水分で構成されています。これらの水分は細胞に栄養を送る、老廃物を除去するなどの役割を持っています。血管・リンパ管・細胞間を行き来しながら体内の水分バランスを保っています。

しかし、何らかの要因でこのバランスが乱れ、細胞と細胞の間に水がたまることがあります。この状態が、むくみなのです。

むくみは、からだの水分量が多くなっている状態や座りっぱなしの姿勢で血流が悪くなったときに出やすい症状です。心臓からの距離と重力の関係で足はとくに血流が滞りやすく、むくみやすいのです。また、からだの冷えや運動不足などで血液の循環が悪くなるとむくみやすくなります。

女性の悩みで多い顔のむくみは、水分・塩分の摂りすぎ、お酒の飲み過ぎ、ストレス、睡眠不足、更年期の症状、何らかの病気などが原因で起こります。むくみをそのままにしておくと、滞った水分によってからだが冷えてしまい、だるさや疲れなどの原因にもなってしまいます。

そうした生活習慣や体質的なことが原因のむくみは、ツボ押しによる刺激で症状が和らぐケースもあります。ツボとは、神経が集中している場所のことです。ツボ押しの刺激により、血液の循環がよくなることでむくみを緩和する効果が期待できるのです。

ツボを押すことでその刺激が脳に伝わり、そこから各器官へ指令が伝わることで、からだの不調がよくなるといわれています。入浴中や入浴後に行うツボ押しはさらに高い効果が期待できます。入浴で血流がよくなり、老廃物の排出効果が高まったところにツボ押しをすると相乗効果でさらに血流促進につながるからです。その際のお風呂は40~41度くらいのぬるま湯がいいでしょう。さらに、ツボ押しには疲労回復効果もあるのでおすすめです。

むくみにおすすめのツボ押し3選

ここでは顔や足のむくみ改善におすすめのツボを3つ紹介します。
 

頬車

顔のむくみ、たるみ、口の周りのシワを防止する作用があります。ここを刺激してあげることでフェイスラインがシャープになり、小顔効果も期待できます。
フェイスラインが垂れてきているような人にもおすすめです。また、肩こりや頭痛にも効果があるとされています。

ツボの位置

耳の付け根と、エラの中央あたりにあり、口を開けると凹み、歯を食いしばると筋肉が盛り上がるところです。

ツボの押し方

  • 人差し指の腹で少し上に向かって痛くない程度に押します。
  • 左右同時に円を描くように動かしましょう。
  • 30秒1セットで3セットほど行いましょう。

承山(しょうざん)


脚のむくみの解消、腎機能の向上、足のつり(こむら返り)の解消、腰痛・腎臓の疲れ・便秘、頻尿などによいといわれています。また、膀胱機能に作用し体内の水分を整えるとされています。

ツボの位置

ふくらはぎの中央ライン上にあるアキレス腱と筋肉の境目にあります。つま先立ちをしてアキレス腱をふくらはぎの方へなで上げていくと、へこみがあります。そこが承山です。

ツボの押し方

両手でふくらはぎをつかみ、両手の親指の腹をツボにあて、息を吐きながら5秒押して3秒左右に揺らし、息を吸いながら2秒かけてあたためます。

気端(きたん)

自律神経を整えるほか、冷えやむくみを改善する作用があります。指先まで血流を促すことで、全体の血流改善にもつながります。

ツボの位置

足の指の先端の部分です。片足に5カ所、両足で10カ所です。

ツボの押し方

親指と人差し指でつまんで、少し痛みがあるくらいに力を入れてこねるように刺激します。1カ所に10~20秒ほど力を加減しつつ、両方行ってください。同時に、足の指を曲げ伸ばしするとより血流はよくなり、冷え改善も期待できます。

漢方薬の併用でツボ押しに相乗効果を
 

むくみ改善には漢方薬で内側からアプローチすることもおすすめです。漢方薬は、水分の循環をよくして老廃物や塩分を排出し、むくみを根本から改善します。また、血流をよくすることで心臓や肝臓の機能が回復して、代謝も上がり、むくみにくいからだづくりを目指すことができます。

  • むくみ対策には以下の作用がある漢方薬を選びます。

    リンパ液の流れを改善させる
  • 水分の循環をよくして老廃物や塩分の排出を促す
  • 血流をよくして脚の筋肉の緊張をゆるめる

むくみ改善におすすめの漢方薬

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷え性で疲れやすく、下半身のむくみが気になる人におすすめです。余分な水分を排出し、胃腸の働きを高めることで「血」を増やし、貧血や冷えを改善します。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

からだの余分な水の排泄を促し、むくみや水太りを解消します。代謝が悪く、むくみやすい人におすすめです。


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むくみを改善して心もからだもすっきりしよう

むくみは、ため込んでしまうと解消するのが大変になりがちです。ツボ押しは家事などの隙間時間でもできるので、ぜひ取り入れてみてください。

解説・執筆者
あんしん漢方薬剤師
碇 純子
薬剤師。漢方薬生薬認定薬剤師 。理学博士、薬学修士。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科修了。漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。