見栄っ張りは損、「質素」な生き方がアンチエイジングの源

見栄っ張りは損、「質素」な生き方がアンチエイジングの源
エイジングケア
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病気になると「ぜいたく」の意味が変わる

50歳を過ぎると、若いころとは違い、仕事でのお付き合いも重要な場面が増えてくるでしょう。また、プライベートでも子供同士が友達であれば、家族ぐるみのお付き合いもあると思います。

そんな中で、周りの目を気にしすぎて、自分をよく見せようと誇張する見栄っ張りな人は、アンチエイジングでも損をしているかもしれません。

「ファーストクラスで旅行をしたい」「おいしいフランス料理とワインが飲みたい」「高級車に乗りたい」など、人それぞれ、食欲や物欲はあります。また、自分の努力の対価にそれらを求めることは、モチベーションにもつながりますし、その人の人生を充実させることになるでしょう。ただ、ぜいたくは上手にしないと一瞬で過ぎ去り、時間やお金、労力、そして健康を浪費するだけになってしまいます。

ぜいたくの感じ方は人それぞれですが、ほとんどの人は自分が病気になると、普段の健康がいかに幸せでぜいたくであったかを実感します。事実、臨床の現場において、多くの外傷や病気を診療してきましたが、老若男女問わず、その感情は患者さんに共通していると思います。

「家族と元気に過ごす」が最高のぜいたく

私は「元気で心穏やかに自分(家族)の時間を過ごす」ことこそが最高のぜいたくだと思っています。

50歳を過ぎて、身の周りのしがらみが増えてきた今だからこそ、断捨離を行い、質素な生活を送ることが、実はアンチエイジングにつながるかもしれません。

「お酒」を例にあげてみましょう。私はお酒が好きで、30代前半の頃はほぼ毎日飲んでいました。そして、一度飲み始めると、際限がなくなり、次の日は「気持ち悪い」からスタートすることもしばしばありました。

この場合、「健康」だけでなく、「時間」や「感情」も損ないます。家族が増えたという理由もありますが、35歳を過ぎて、お酒や外食の頻度や飲み方、食べ方をちょっと変えるだけで、「自分(家族)の時間」というぜいたくが舞い込んできました。

また、糖質の摂取を減らすことで悩んでいた体重増加も改善し、体も軽くなり、週末は子供と元気に遊んでいます。

SNSもほどほどに

また、私は仕事としての必要最低限しかSNSは使用していません。というのも、個人的には8割以上のSNSは自己満足の世界だと思っているからです。

もちろん、SNSの中には有益な情報も含まれますし、特に個人の運用であるほど、従来の大規模メディアに比べて忖度のない素直な意見や事実が発信されることもしばしばあります。しかし、健康や美容にとってSNSはマストではないと思います。使い方に気をつけて、心穏やかに毎日を過ごすことをオススメします。

見栄を張らず、質素な生活を送ることは、「健康」「時間」「感情」を充実させる永遠のアンチエイジングかもしれませんね。

質素な生活によるアンチエイジングのポイント

  • 欲にまみれたぜいたくは一瞬の喜びに過ぎない
  • 元気で心穏やかに自分(家族)の時間を過ごすことが最高のぜいたく
  • 健康と美容にとって、SNSは必要不可欠ではない
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。