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【ベストセラー健康本】骨を若返らせ、骨粗しょう症を防ぐ

【ベストセラー健康本】骨を若返らせ、骨粗しょう症を防ぐ
予防・健康
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骨は何歳からでも若返る

日本人の生命寿命と健康寿命には約10年もの開きがある。要介護リスクを低下させるカギは、骨の健康にあった。骨の若返りの重要性を説いているのが、川崎医科大学特任教授の太田博明医師=写真=が監修した『骨を強くして、骨折・骨粗しょう症・寝たきりを防ぐ!』(宝島社刊、1089円)だ。

太田医師はこう説く。

「高齢者の骨折は単なるケガの若年者の骨折とは違います。特に大腿骨の骨折は寝たきりに直結し、要介護や死亡リスクが高まるので、高齢者の骨折はとても危険です。転ばないことも大事ですが、転んでも折れない強い骨にすることの方がもっと重要です。この本では骨を強くする方法を紹介しています。生活習慣、運動、食事の3つの柱で骨は何歳からでも若返り、転んでも骨折しないようになります」

骨粗しょう症は治らないと思っている人が多いが、実は骨は何歳になっても強くできると太田医師は主張する。

そのカギは、骨密度を高めることと、骨を刺激すると分泌される骨ホルモン「オステオカルシン」を増やすこと。このホルモンは、強い骨作りを助ける以外に、認知機能や血糖値の改善、メタボ予防、糖化の抑制などに役立つことがわかっている。

本誌では、骨ホルモンを分泌する3つの運動として「骨トレーニング・筋肉トレーニング・ストレッチ」を紹介している。中でも「骨トレ」では、骨密度を上げるため、骨、特にかかとに衝撃を伝えることが大切だという。太田医師のお勧めは「かかと落とし」で、さらに効果的な「10センチジャンプ」、より強化できる「20センチジャンプ」がある。年齢や骨の状態によってはそれらが難しい場合もあるだろう。そこで、ここでは誰でもテレビを見ながら座ってできる骨トレを紹介したい。

骨トレ レベル1【その場足踏み】

  1. イスに浅く腰かけ、片足を持ち上げる…背筋を伸ばし、足をできるだけ高く上げること。
  2. 床にかかとをストンと落としてかかとに衝撃を与える…かかとを下ろすというよりも、力を抜いて落とす感覚がポイント。
  3. 反対の足も同様に左右交互に行う

これを1日に30×3セット、時間をあけて行う。実際にやってみると、足踏み自体は簡単だが、30回続けると、足が温まり、意外に腹筋にも効く感覚が心地良い。

他にも、骨密度を高めて骨を強くするために必要な4大栄養素やそれらを含む食材・バランスよくとるためのアイデアや、骨強化に役立つライフサイクルの工夫など、幅広く紹介している。

太田医師が掲げる骨を若返らせる3つの柱「運動」「食事」「生活習慣」は、どれも特別なものではなく、苦痛もなく、すぐ取り入れることができるものばかり。「健骨習慣」を意識的に取り入れてみたいものだ。

骨粗しょう症チェック(1つでもある人は発症、あるいは近くなる可能性あり)


  • 若い頃に比べて身長が3センチ以上縮んだ
  • 家族に骨粗しょう症の人がいる
  • 痩せている
  • 運動や外出はあまりしない
  • ささいなことで骨折したことがある
  • 立ち上がるときに背中や腰が痛む
  • 背中が丸まってきた(壁にかかとをつけて立ち、後頭部を壁につけられない)

※本書から抜粋

執筆者
ジャーナリスト
田幸 和歌子
医療ジャーナリスト。1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。「週刊アサヒ芸能」で健康・医療関連のコラム「診察室のツボ」を連載中。『文藝春秋スーパードクターに教わる最新治療2023』での取材・執筆や、健康雑誌、女性誌などで女性の身体にまつわる記事を多数執筆。