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【ベストセラー健康本】『知らないと怖ろしい カラダの新常識100』

【ベストセラー健康本】『知らないと怖ろしい カラダの新常識100』
予防・健康
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正しいと思っていた「医学の常識」は間違っている!?

あふれる健康・医療情報。何を信じたら良いのかわからない人は多いだろう。そこで、最新の科学的エビデンスに基づいた医学・健康・栄養の知識をまとめた1冊が、『知らないと怖ろしい カラダの新常識100』(アチーブメント出版刊、1540円)である。

監修した総合内科専門医の川嶋朗氏=写真=が刊行した理由を語る。

「医学はあらゆる領域で日々進歩し、最新のエビデンスとともに『常識』も刷新されています。従来正しいと思い込んでいたことが、実はそうではなかったという事例も数多くあります。一般の方が、あらゆる事柄をふだんの生活の中で把握していくのは難しいだけに、できるだけ新しい情報に触れ、これまでの健康常識をアップできるような書籍があれば良い。そう考えて監修をお手伝いしました」

本書は「生活習慣病」「食と栄養」「がん」「老化・認知症」「うつ・精神疾患」「緊急医療」「腸」「近年増加の疾病・症状」の8章立てで構成されている。ここでは気になる項目の一部を紹介したい。

【血圧】高血圧には減塩よりも「減糖」が効果的?

近年は「糖」が高血圧を促す作用が大きいのではないかという研究報告が相次いでいる。果糖が十二指腸と腎臓の尿細管に作用して塩素とナトリウムの吸収を促し、浸透圧を上昇させるから。塩分も糖分も適量を摂るのが大切。

【高脂血】悪玉コレステロールこそが心筋梗塞の最大原因

動脈硬化をより進展させるのはLDLコレステロール。血液の中でコレステロールを運ぶLDLが増えると、血管壁に傷がつき、血管壁の中に入り込み、それが酸化LDL=「悪玉コレステロール」になる。悪玉コレステロールを取り込んだ細胞は血管壁に沈着し、プラーク(隆起した病変)を作る。プラークがときに破れ血管内で固まると「血栓」を作り、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる。

【肥満】寝不足だと食欲が増してダイエットの敵になる?

8時間寝た人に比べて5時間しか寝ていない人は、食欲を促す「グレリン」の量が約15%多く、食欲を抑える「レプチン」の量が約15%低いという調査結果がある。そのため、睡眠不足の人は、しっかり寝ている人よりも肥満リスクが高くなる。

【脳卒中】睡眠中に起こる危険な脳梗塞がある

アテローム血栓性脳梗塞は、脳の太い血管に血栓ができ、脳内の血管を詰まらせることで起こる。アテローム血栓性脳梗塞は、水分不足になりやすい睡眠中と起床後に発症しやすいのが特徴。予防として、就寝前と起床後にはコップ1杯程度の水分補給を。

こうした項目ごとに見開き2ページでわかりやすく解説。気になる項目から読み始めてもいいし、毎日1項目ずつアップデートするのもお勧めだ。

アップデートしたい「カラダと健康を守る正しい知識」

  • コーヒーのポリフェノールで脳梗塞を防げる
  • 植物性脂肪は必ずしも動物性脂肪より健康的とはいえない
  • 前立腺がんが日本の男性に大増加しているワケ
  • 手足のしびれの原因、もしかして糖尿病かも
  • 認知症に効果を発揮するビフィズス菌がある

※本書から一部抜粋

執筆者
ジャーナリスト
田幸 和歌子
医療ジャーナリスト。1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。「週刊アサヒ芸能」で健康・医療関連のコラム「診察室のツボ」を連載中。『文藝春秋スーパードクターに教わる最新治療2023』での取材・執筆や、健康雑誌、女性誌などで女性の身体にまつわる記事を多数執筆。