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乾燥の季節、肌力を上げる5つの食品

乾燥の季節、肌力を上げる5つの食品
エイジングケア
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食生活強化で肌のインナーケアを

乾燥による肌トラブルが多い季節になってきました。意識の高い人の中には、保湿などのスキンケアを心がけている人もいるでしょう。スキンケアは肌のアンチエイジングにとって必要なプロセスですが、実は化粧品が届くのは皮膚の最外層にある、わずか0.02ミリの角質層までです。そのため、インナーケアによる適切な肌への栄養補給がアンチエイジングにつながるといえます。

前腕の皮膚の角質水分量を冬と夏で比較すると夏に比べて冬のほうが約30%、有意に少なかったとの報告があります。これから本格的な冬を迎える今だからこそ、乾燥に強い肌を作るためのインナーケアが必要です。

今回は食生活に注目し、肌力を上げるお勧めの5つの食品をお伝えします。

腸活、免疫力アップ、ニキビ防止も

キムチ

キムチは食物繊維(プレバイオティクス)と生きた菌(プロバイオティクス)が取れる「シンバイオティクス」の代表食品で、腸活に向いています  。腸内環境は素肌の状態に影響しやすいので、腸活で肌力の向上が期待できます。辛いものが好きな人に好まれやすいですし、カプサイシンは血行・血流をよくし、代謝をあげるなどの効果があるため、おすすめのアンチエイジング食品の筆頭です。

カキ

アルコールや加工食品の摂取、糖質過多の生活などにより、亜鉛は潜在的に不足しがちです。亜鉛はDNAやタンパク質の合成に働き、細胞の新生(しんせい)を促すので、不足すると皮膚や爪の異常、脱毛、免疫力の低下などを引き起こします。亜鉛は生カキ70グラム(小2個)に約9.2ミリグラムも含まれています。亜鉛はビタミンCやクエン酸と一緒にとるとキレート作用により体内に吸収されやすくなりますので、レモン汁をかけて食べるのは理にかなった食べ方です。

玄米

白米を好む人にはあまりなじみがないかもしれませんが、玄米にはビタミンB群、鉄分、各種ミネラルのほかに、水溶性と不溶性の食物繊維がバランス良く含まれており、肌にとってプラスに働きます。

豚レバー

鉄は1日約1ミリグラム失われます。鉄は紫外線により発生した“活性酸素”を除去してくれるカタラーゼの材料となっており、不足すると大人ニキビの原因にもなります。

レバーにはヘム鉄が多く含まれ、非ヘム鉄に比べると体に吸収されやすいです。特に豚レバーは牛や鳥に比べるとタンパク質や鉄分が豊富で低脂肪と言われています。

納豆

納豆もキムチと同様、「シンバイオティクス」の代表食品で腸活に好影響です。さらに大豆からタンパク質も摂取できるので、肌の再生の材料ともなります。

ただし、体によい食品を選択しても、添加物や着色料などが多く含まれていては元も子もありません。食品を選ぶ際は裏面の原材料名をチェックする習慣を身につけると、トレンドや風評に惑わされない、確かなアンチエイジング食材を選択できるでしょう。

乾燥に強い肌をつくるポイント

  • 冬は夏に比べて約30%、肌の水分量が減少するとの報告がある
  • 乾燥に強い男肌を作るためのお勧めの食材5品(キムチ、牡蠣、玄米、豚レバー、納豆)
  • 裏面の原材料名をチェックする習慣を身につけよう
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。