睡眠・不眠

物価高に負けない食薬習慣(5)~良い睡眠は家計も助ける

物価高に負けない食薬習慣(5)~良い睡眠は家計も助ける
予防・健康
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遅い時間まで、スマホやパソコン、テレビショッピングを見ているうちに衝動的に商品を注文してしまった——そんな経験はないでしょうか。

夜型人間であることは、物欲だけでなく食欲をコントロールするホルモンにも影響して、食欲も増します。そのため生活費がどんどんかさんでいくことにもなりかねません。今の自分に何が必要で何が不要か。物だけではなく、行動も含めて見つめなおすことが健康な体づくりにつながります。

ここでは、夜の過ごし方を整えることで、節約と健康に役立つ食薬習慣を紹介します。

夜ふかしは三文の損

夜遅い時間は、心身ともに疲れているので、細かいことを考えることが面倒になり、感情のままに行動してしまったり、判断力や決断力を弱めてしまう時間だといわれています。

衝動買い、ネットのサービスへの課金、食べすぎ、飲みすぎ、ネガティブな感情へのスパイラル(悪循環)などが起こりやすくなります。

夜は一時的なストレス発散の時間とするのではなく、リラックスしてぐっすり眠ることが、本当の意味で自分へのご褒美となります。

さらに、睡眠時間が短い時には、食欲を抑制するホルモンであるレプチンの分泌が低下し、食欲を増進するホルモンであるグレリンの分泌を増やします。そのため、睡眠不足は、食欲に関するホルモンのバランスを乱し、過食傾向にしてしまうのです。

夜をムダづかいした上、リズムがおかしくなって日中も食欲旺盛になり、食費がかかります。心と体は休まらず、健康と家計に対して良いことがほとんどない——そのことに気づきましょう。

睡眠の質を向上し体力の消耗をセーブ

「寝ようと思っても眠れないから、夜ふかししてしまう」という人も多いかもしれません。

そこで睡眠の質を向上する食薬を紹介します。

睡眠の質を向上するために、朝食にトリプトファンやビタミンB群、鉄などを動物性の食材から摂るようにしましょう。

朝は、パンとコーヒーだけという方も多いと思います。ですが、朝食にタンパク質は欠かせない栄養素です。タンパク質は、卵、納豆、サケ、ヨーグルト、豆腐などに多く含まれています。

もし朝からお腹がすかないときは、夕食の内容やタイミング、量、胃腸の状態を見直してみましょう。

また、睡眠の質を向上させるグリシンを多く含むホタテ、エビ、カニなどの魚介類、GABAを多く含むトマトやパプリカ、発酵食品などを摂ることも良い睡眠につながります。

夜にはスッと寝て疲れを取り除き、心身ともに元気に朝をスタートすることで、健康と家計に優しい生活を立て直しましょう。

解説・執筆者
薬剤師、国際中医師
大久保 愛
食薬の第一人者、薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師、日本初の国際中医美容師、薬膳料理研究家、作家、アイカ製薬代表取締役。未病を治す専門家としてAI漢方・食薬相談システム『CrowdSalon』開発や『食薬アドバイザー』資格養成、商品開発、企業コンサルティングなどに携わる。著書『心がバテない食薬習慣』は発売1カ月で7万部突破のベストセラーに。著書多数。https://crowdsalon.com/。