疲労改善にツボ押しがおすすめなワケ
一口に疲労といっても肉体的な運動による筋肉疲労、脳の使いすぎによる精神疲労があります。
また、だるさや倦怠感といった症状には、運動不足による血行不良や、乱れた生活習慣による自律神経のバランスの崩れ、栄養不足などさまざまな理由があります。
ツボ押しは、東洋医学の「気(き)」「血(けつ)」の概念に基づいた施術です。気血とは、わかりやすくいうと生命エネルギーのことです。
東洋医学では、からだには気や血の通り道である「経絡(けいらく)」が張り巡らされていると考えています。経絡は臓器やからだのさまざまな部分とつながっています。そして、この経絡の出入り口の「経穴(けいけつ)」、これが俗にいうツボなのです。
ツボに刺激を与えることで、気血の滞りを改善し、からだの不調を整えるというのがツボ押しです。
効果アップするツボ押しのコツ
続いては、適切な効果を出すための、正しいツボの押し方のポイントを3つ解説します。
リラックスを意識する
ツボ押しはなるべくリラックスできる状態で、できれば立って行うよりも座ってあぐらをかくなどして行いましょう。
深呼吸を数回して、酸素を全身に行き渡らせるとリラックスしやすくなります。ツボを押す前に軽めに筋肉をほぐしておくのもおすすめです。
力まかせは禁物
ツボを押す回数は2~3回が基本です。心身のリラックス目的なら軽めに、不調解消の場合はやや強めに押してください。
ただ、思いっきり力を込めて押すのは間違いです。強く押せば効き目がアップするというものではなく、逆に筋肉が緊張して期待した効果を得られない場合もあります。
押すときは指の腹を意識してください。爪の長い人は爪の先が皮膚に食い込まないように気をつけましょう。
ゆっくりと呼吸を意識する
ツボを押す際はゆっくりと息を吐き、力を抜きましょう。副交感神経が優位になり、ゆったりとリラックスできます。呼吸とリズムをうまく合わせながら、ツボを押しましょう。
疲労に効果抜群! ツボ2つ
疲労回復効果を期待できるツボを2つご紹介します。
労宮(ろうきゅう)
「労宮」は、倦怠感や集中力が続かないときにおすすめのツボです。位置は手のひらの中指の付け根付近、手を握って中指の先が当たる箇所です。
血流を促し、酸素をからだに行き渡らせて頭や筋肉の疲労を軽減します。高ぶった神経を落ち着かせ、自律神経をコントロールしたいときにもおすすめです。
湧泉(ゆうせん)
「湧泉」は、からだのだるさをはじめ、血行や足の冷えにも適したツボです。位置は足の裏の土踏まずの上部付近、縦に中心線を引いて、上から3分の1あたりの場所にあります。
滞った水分を排出して水分代謝を正常にし、心を落ち着ける効果を期待できるツボです。
疲労改善には漢方薬の併用もおすすめ
疲労回復にはツボ押しだけでなく、漢方薬もおすすめです。漢方薬は疲れに対して、足りない栄養を補うだけでなく、消化・吸収の機能を改善し、必要なところに栄養を届ける手助けをしてくれるので、服用することで疲れやだるさの根本改善を目指すことが可能です。
また、精神的なストレスからの疲れには、「ストレスで乱れた自律神経を整える」「睡眠の質を上げてストレスを改善する」などの作用のある漢方薬を選びます。
疲労回復に適している漢方薬をご紹介します。
疲労改善におすすめの漢方薬
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
からだが衰弱し、強い倦怠感がある人に処方される漢方薬です。生命エネルギーの「気」を補い、胃腸の機能を高めて、体力や気力を充実させます。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
慢性的な疲労、食欲不振や手足の冷えを感じている人に適した漢方薬です。栄養を補うとともに、からだを内側から温めて、疲労や貧血などを改善します。
漢方薬を選択する際は、体質との相性を十分に考慮する必要があります。体質に合っていないと、効果が出ないどころか、副作用のリスクが高まります。
体質をしっかり診断したうえで処方できる医師や薬剤師に漢方薬を選んでもらいましょう。
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疲労をためない生活を送ろう
疲労は気づかないうちにどんどんたまっていくものです。また、病気の原因になる場合もあるので、適度に休息して、からだをいたわってあげましょう。今回ご紹介したツボ押しもぜひ参考にしてみてください。