中年以降の男性は口臭意識が薄らぐ
「口のケア」は顔のアンチエイジングに影響しているので、今回は「口臭」の原因と対策に着目したいと思います。
男性は年齢を重ねるにつれ自分の口臭が気にならなくなるようで、40歳代では約80%の人が口臭を心配していますが、50歳代では約78%、60歳代では約75%という調査結果があり、口臭への意識が薄らいでいます。年とともに夫の口臭が気になり始めたという奥さまも多いことでしょう。中年以降の男性のアンチエイジングにとって、「口臭」のケアは欠かせないのです。
口臭は①生理的②病的③外因的④心因性—の4つに分類されます。
①生理的口臭は病気や体質に関係なく本来誰でもあるもので、起床時や空腹時、緊張時など、唾液の分泌が減少するタイミングで発生します。歯磨きや食事による唾液分泌で改善し、周囲の人を不快にするものではありません。
②病的口臭とは口の中や体の病気が原因となります。耳、喉、鼻、呼吸器、消化器などの病気や糖尿病など、口以外の病気が原因の場合もあります。例えば消化機能が低下した場合は、食べたものが胃や腸で停滞し、異常発酵することで腐ったような臭いが発生しますし、肝機能低下では毒素が分解されないためにアンモニア臭がし、糖尿病ではアセトン臭という甘酸っぱい臭いが特徴的です。ただし80%以上の原因は「口の中」です。歯周病、虫歯、舌苔(舌に付着する細菌の塊)、歯垢、唾液の減少などが挙げられますが原因を取り除けば改善は可能です。
③外因的口臭とは、お酒、タバコ、ニラ、ニンニク、ネギなどのニオイの強い嗜好品や食品を摂取することで起こる口臭です。ほとんどは一時的で時間がたてば消えます。口臭を抑えたいときは臭いの強い食べ物は避けましょう。当然、喫煙による口臭の解消には禁煙をお勧めします。
④心因性口臭とは客観的な口臭はなくても、本人だけが自分に口臭があると思い込んでいるケースです。精神的に不安定なときやストレスを抱えているときに感じやすいです。専門家に口臭の測定をしてもらい、口臭がないことを理解することが重要となります。
口臭対策4つのポイント
では、口臭対策の4つのポイントです。
歯ブラシに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。歯ブラシだけだと歯垢は約60%しか取れないですが、それらを併用すると約80%まで除去率が上がります。最近では、歯周病予防にウコン成分「クルクミン」も注目されているように、歯磨き粉にもこだわってみるとよいでしょう。
舌苔は、うがいでは取れないので、柔らかい歯ブラシや舌クリーナーなどでケアしましょう。
口の乾燥を防ぎましょう。中年男性に多い多量飲酒や喫煙、ストレス、イライラは唾液の分泌を抑制してしまいます。肥満に伴う口呼吸も口臭の原因になるのでダイエットも大切です。
3~6カ月に1回は虫歯がなくても定期的に歯医者さんを受診しましょう。口の中に原因がある口臭については、きちんと予防や治療を行えば治すことが可能です。
口臭ケアは男の身だしなみの1つですが、体臭と同様、口臭についても自分から意識しないとケアができません。男性自身が意識できない場合、身内からのアドバイスも時には大切でしょう。
口臭ケアのポイント
- 男性は年齢を重ねるにつれて口臭への意識が薄れていく
- 口臭の4大原因を理解して、自身の口腔ケアを選択する
- 中年男性に多い多量飲酒、喫煙、ストレスなどは唾液の分泌を減らして口臭を悪化させる