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健康と美容のための「人工甘味料」との付き合い方

健康と美容のための「人工甘味料」との付き合い方
エイジングケア
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ストレスから甘いもの…幸せホルモンは出るが…

ストレスがたまりやすい日常の中で、口元が寂しくてついつい甘いものを食べてしまう人もいるでしょう。ただ、過剰に砂糖を摂取すると健康や体形にはマイナスなことは誰でも直感的にわかっているはずです。

さて糖質制限ダイエットが注目されて久しく、健康やダイエットにとって、砂糖はネガティブな存在と考えられています。一方、われわれ人間にとって甘味を味わうことは至福のひとときで幸福な時間です。実際に、甘味を摂取すると、β―エンドルフィンやセロトニンといったホルモンが分泌され、リラックス効果がもたらされます。

砂糖の大部分はサトウキビから抽出されます。砂糖は植物由来の炭水化物で、米(デンプン)や食物繊維(セルロース)の仲間で、2種類の単糖類(ブドウ糖と果糖)が結合した物質なので2糖類に分類されます。

そんな中、化学的に作り出した「人工甘味料」が近年ますます注目されています。ただし人工甘味料を甘く感じる本当の理由はいまだに完全には解明されていません。

人工甘味料をいくつか紹介します。アスパルテームとアセスルファムKは砂糖の約200倍の甘味があり、両者を混ぜると砂糖に似た味がするので多くの清涼飲料水、ガム、キャンディーなどに使用されています。

使用中止になった人工甘味料

またスクラロースは1976年に砂糖から作られたもので、砂糖分子に8個あるOH基(ヒドロキシ基)のうち、3個が塩素Clに置き換わったものです。砂糖の約600倍の甘味があり、砂糖に近いまろやかな甘さが特徴です。

日本では99年に添加物と認可されてカロリーゼロ製品でもよく使用されていますが、溶媒のない状態で138度以上に加熱すると有毒な塩素Cl2が発生するため、ダイオキシンのような有害物質に近いものとして安全性に疑問を呈する声もあります。スクラロースの原料そのものは市販されておりません。

最後に使用が中止された歴史をもつ人工甘味料を挙げます。

☆サッカリン:1878年に人類が初めて作った人工甘味料で、1977年に発がん性が疑われて使用禁止となったが、91年にこれが否定されて現在も使用されている。

☆ズルチン:1884年に合成された。毒性があり、多量の摂取で肝機能障害を起こすため、1969年に使用禁止となった。

☆チクロ:69年に発がん性が指摘され、使用禁止となったが、その後、否定されて現在では中国、EU、カナダなどで使用されている。日本やアメリカでは使用禁止。

実際、人工甘味料自体は研究段階なので、健康や美容への絶対的な正解はありません。人工甘味料の過剰摂取で、生活習慣病・腸内環境の悪化・味覚障害・精神障害などのリスクが上がるとの報告がある一方、人工甘味料の代わりに砂糖を使うと、間違いなく砂糖の取りすぎになります。人工甘味料との付き合い方を考えていきましょう。

  • 甘味を取るとβ―エンドルフィンやセロトニンなどのホルモンが分泌され、リラックス効果がある
  • 人工甘味料を甘く感じる機序は完全には解明されていない
  • 人工甘味料にはメリットとデメリットがあるので、付き合い方が大事
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。