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夫の白髪、染めるか否か?

夫の白髪、染めるか否か?
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まずは「ロマンスグレー」が似合うかどうか

顔面を白く化粧したり、耳の皮膚に穴を開けておしゃれをしたりするのは人間だけです。そして、髪の毛を染めるのも人間だけです。

中年以降の男性は髪の毛で悩むことが多くなります。薄毛だけでなく、白髪の悩みも増えてきます。ただ白髪は女性のほうが悩む人は多く、男性にはカラーリングの情報が届きにくいので、今回はそのあたりをお伝えしたいと思います。

40~50代の男性は「白髪を染めるべきか否か」で迷う時期があります。中年~古希男性の白髪交じりを和製英語で「ロマンスグレー」と呼ぶことがありますが、白髪が増えてくると、自分にロマンスグレーが似合っているかどうかを客観的に判断する必要があります。

自分に似合っており、奥さまや周囲の人からも「かっこいいおじさま」のイメージが得られれば、ありのままが一番よいでしょう。

ただ白髪を自然なままに増やしていくと、「何もしない人」「清潔感に欠ける」という印象を与える場合があります。特に髪形に気を使わないと「汚い白髪交じり」になりがちです。なので自然体のロマンスグレーを選択する場合は、髪形を整え、定期的に調髪しましょう。

染毛剤と染毛料の違い

もちろん、染髪も若々しくみせる方法のひとつです。薬事法によれば、カラーリング剤は染毛剤(医薬部外品)と染毛料(化粧品)に分けられます。染毛剤と染毛料を比較した場合、染毛剤は髪を染める前にブリーチ(漂白)してから脱色するので、染める力が強いのです。

ブリーチ剤は髪のメラニン色素を分解するもので、主成分は過酸化水素か過硫酸塩を含む酸化助剤です。染毛剤の主成分であるパラフェニレンジアミンやパラアミノフェノールが過酸化水素と混ざると酸化されて発色します。

ただし、この主成分は皮膚や体のアレルギーを起こすことがあり、特にパラフェニレンジアミンは毒性が強いです。またパラフェニレンジアミン自体が塩基性(アルカリ性)であるのに加え、染毛剤にはアンモニアなどの塩基が加えられているので、その塩基性はかなり強くなっており、髪に与えるダメージも大きくなります。

お勧め染毛成分は「ヘナ」

一方、染毛料は毛髪を一時的に染めるもので一般にヘアマニュキュアとも呼ばれます。染毛剤が髪を酸化させるのに対し、染毛料は作用が穏やかなため、アレルギーが起きることは少ないですが、染毛力は弱く、シャンプーなどで色落ちすることがあります。

私のお勧めの白髪染めの染毛成分は「ヘナ」です。一番のメリットは頭皮や髪の負担が少なく、安心して使えることです。ヘナはミソハギ科の植物で、インドなどで古くから髪染めやボディーペイントに使用されてきたハーブです。ただ、長時間おかないとなかなか色が入らないので忙しく働く男性にとってはデメリットかもしれません。

  • 自然体のロマンスグレーが自分に似合うか、客観的に評価する
  • 染毛剤は頭皮のアレルギー症状を起こす場合がある
  • お勧めの白髪染め成分は「ヘナ」
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。