健康法 座談会 更年期障害 【50歳からのエイジングケア座談会】第3回

【50歳からのエイジングケア座談会】第3回(2)~化粧品のプロと元宝塚ダンサーが語る美容・運動・更年期

【50歳からのエイジングケア座談会】第3回(2)~化粧品のプロと元宝塚ダンサーが語る美容・運動・更年期
コラム・体験記
文字サイズ

「健活手帖」では、50歳からの女性の「健康」と「美」を考える座談会を行っています。参加者は「化粧品」のプロお二人と元宝塚のダンス・インストラクターという異色の組み合わせ。活躍されている舞台はそれぞれ違いますが、「美」と「健康」を大切にする同世代ということから話は弾み、会社の代表を務める宮下しのぶさんと皆さんの独自の健康法から更年期障害の乗り越え方まで本音で大いに語り合いました。

【ご参加いただいたのはこちらの3人】

宮下しのぶ(みやした・しのぶ)
53歳。株式会社ビープロテック代表取締役MBA経営学修士。大学卒業後、大手商社総合職を経て、化粧品メーカーへ転職、その後創業35年の父の事業を継承して、化粧品OEM事業、自社開発商品製造販売、コンサルティング業など通算41年の永続経営をしている。
 

 

中村菜央(なかむら・なお)
42歳。化粧品会社(国内メーカー)にて営業、販売、お客様相談室、直営店運営、トレーナー業務、人材育成に従事。退職後、某化粧品検定協会の企画運営に携わる。輝く女性を増やすためビューティークリエイターとしても活動している。


 

楓 沙樹(かえで・さき)
53歳。ダンス・インストラクタ一、ダンサー。元宝塚歌劇団花組。幼少期から舞踊を始め宝塚音楽学校を経て歌劇団入団。宝塚現役時代は海外公演などにも参加。退団後は様々な舞台に出演。ピラティス、ヨガの資格を習得。現在は主にダンス・インストラクターとして活動。
 

 

<司会・進行>

荒牧聡子(あらまき・さとこ)

37歳。美容アドバイザー。広告代理店、アパレル勤務を経てIT会社を産休中。ダイエット目的で始めたパーソナルトレーニングの結果、ベストボディジャパン2021年度総合優勝を果たす。現在は子育てをしながら健康的なダイエットレシピをInstagramアカウントで配信中。

運動継続で更年期障害対策

「ながら運動」で更年期を過ごす

聡子:更年期ワードも出てきたので、ぜひお聞きしたいです。

楓 沙樹(以下、さきさん):体と心って連動しているので、心のケアをしたいというのであれば、体を動かすことが大事です。なかでもストレッチって大事ですね。ただ、毎日ストレッチをしようとすると三日坊主になってしまって続かなかったりするので、「ながら運動」というものがありまして…。

聡子:「ながら運動」、何ですかそれは?

さきさん:言葉の通り、何かしながらやることです。例えば、テレビを見ながら、歯を磨きながらなど、何かをしながら運動やストレッチすることです。1日に1時間ストレッチをするよりも、ほんとに10分でもいいので毎日継続することが大事です。足を回すだけでもいいですし、指を回すだけでもいい。あとは、湯船につかるのは大事ですね。血流にも良いですし、肌にも良いです。個人的にオススメなのは冷水。私はお風呂で冷水を必ず浴びます。お湯、冷水、お湯、冷水のように交互に浴びます。

聡子:えー、冷水ですか! 何分間とか決めていますか?

さきさん:そんなに長くはやっていません。水道代もかかりますから(笑)。ほんのちょっとです。シャーッと交互にかけます。

聡子:夜のお風呂で、ですか?

さきさん:朝晩やっています。

全員:すごい!

聡子:やってみようかな。たしかに、肌に出ています。沙樹さん、美肌ですね。

さきさん:あとはとにかく汗をかくことですね。本当にオススメです。

聡子:ありがとうございます。沙樹さんも皆さんも継続することが大事と言われていますが、それが正直、一番難しい。継続の秘訣というか、コツはなんですか?

しのぶさん:やはり目標を立てることですね。やはり気分が良い時と悪い時があるので、いつまでにこの目標、ゴールに向かってやるよーっていうのを自分の中で決めます。そうすると、そこに向かってあと何日、あとこのくらいいきたいなぁとか思える。私、開脚が全然できなかったですが、目標を決めることでモチベーションを自分で保てて、できるようになったんです。

聡子:なるほど。素晴らしいです。目標、大事ですね。菜央さんはいかがですか?

なおさん:私の場合は頑張りすぎないことですかね。目標を立てることも大事なのですが、ハードルが高すぎると続かないし、できないと落ち込んじゃったりもする。できない日があっても認めてあげる。しょうがないよね、今日は疲れているからいいか、と思える感じで自分を甘やかすということも大事ですね。

聡子:その考え方、素敵です。ありがとうございます。

合言葉は「テゲテゲ(適当)」

さきさん:実はそれが更年期にも良いんですよ。体にとってもすごく大事な考え方だなって気づきましたね。

聡子:そうそう、更年期についてすごくお聞きしたいです。

さきさん:更年期は、良い意味で揺らぎ世代。ホントにダメな日と本当にわっとアガる日とありますね。ダメな日に頑張る、目標を高く持っていると気分が下がってきます。なので、鹿児島弁で「テゲテゲ」という言葉があるのですが…。

聡子:私も九州出身なのでわかります、そのお言葉。

さきさん:適当という意味なのですが、ある意味テゲテゲな気持ちでいることが、更年期を乗り超える秘訣だと思うのです。できないことがあるんだ、とね。50代って、自分にショックを受けたりします。まだ頑張れる年代なのにとか、何かさぼっているではとか、嫌な気持ちになってしまうときは、頑張りすぎない自分をつくってあげる。そして今日頑張ったねー!と褒めてあげる。そうすると、今日はお肉食べようかなぁとか、お酒飲んじゃうかなぁとか思いますよ。今日はスナック菓子OKな日、などをつくると、すごく生き方も楽になりますね。

聡子:すごく深いお言葉です。自分を褒めることは大事ですね。

更年期を隠さない、みんなで共有

家族、周りが認めてあげると丸く収まる

さきさん:更年期って本当に辛いです。なので共有することも大事です。更年期世代の友人たちに、「私、更年期だよ」とあえて言うことは大事だと思います。更年期を隠さない。絶対に言ったほうがいいです。そうすると「更年期だから仕方ないよね」という空気になります。「更年期だから、私たち」という気持ちになると楽になりますよ。そうすると、「ルンルン更年期」になりますね。ほんと、ルンルン更年期の本を出したいぐらいです。今ではもう更年期ではないのですが、この方法、本当にオススメです。

聡子:私は年齢的にまだわからないのですが、更年期のときは家族や周りの方はどのように接していますか?

宮下しのぶ(以下、しのぶさん):わりと自然に認めていますね。なんか、(気分が)落ちていたり、良い時があったりするけれども、家族が受け入れてくれているという感覚はありますね。そして、そこ(不安定なところ)を指摘しない、家族だからいろんなことをすべて認めてあげる。言葉にするととげとげしくなるので、そっと見守る。そういうアウンの呼吸みたいな、お互いに認めてあげるという気持ちで、家の仲は丸く収まっている感じです。そんなふうになりました。

聡子:ご家族の優しさですね。菜央さんはいかがですか?

中村菜央(以下、なおさん):そうですね。私はまだ更年期はないのでわからないですが。42歳なので…。

さきさん:私たちと10歳くらい違うのかな。これからですよ(笑)

聡子:沙樹さんは、いくつくらいから更年期かなと感じられましたか?

さきさん:私は44、45歳でしたね。みんなそれぞれだと思います。私の妹なんて、39歳から更年期でしたね。

聡子:えぇ! そんなに早くから更年期でしたか。しのぶさんはどうですか?

しのぶさん:私はいつかな…、覚えてないかも。あまり時間に余裕がなくて、忙しくて、ふと考えるとあの時だったかなぁ、もしかしてそうだったかもなぁって思うのが47、48歳かな。

さきさん:そうです。44、45歳の頃って自分が更年期って思わないのですが、それが50歳くらいに、『あの時がそうだったのか』と。だからあの時トガってたんだと気づきましたね。

聡子:なるほど。すごく勉強になります。

なおさん:でも、それって幸せですよね。「私、更年期です」と言えない方もいますよね。悩む方はいると思います。

さきさん:だからこそ、40代に入った方々に言いたいです。「悩まなくていい」と。それは更年期のせいだよ、そして私たちはもうすぐ(更年期を)抜けた年齢だよと言いたいです。

しのぶさん:そうそう。終わったね。

さきさん:私たち、「ベテラン更年期」って感じですよね。ベテラン更年期時代なので、ベテランが初心者の方々へ言いたいです。自分が更年期だと認めてあげると、すごく楽になると思う。そういうことなんだ、みんなが通る道だ、ということです。そして絶対に抜けるものだと思えると楽になりますよね。でも、その最中も悪いことばかりではないです。人に対して優しさが芽生えてきました。自分が辛いからです。私は体を動かしていたので、そんなにひどい更年期障害ではなかったと感じますが、それでも自分が辛いと(その一方で)優しさも出てきますね。

聡子:先輩としての人間性を感じますね。

なおさん:私は更年期に気づかない気がします。健康だから。

今の更年期世代は「若い」

さきさん:体を動かしているといいですよね。そんなにひどくならないと思います。悩んでいる人は本当にたくさんいらっしゃると思います。まず、人に言えないですよね。でも、それはオープンにしたほうがいいよって思います。恥ずかしいことじゃないし、最近では雑誌などでもやっと更年期について取り上げられてきました。特集もすごく多いですし。でも少し前までは更年期ってネガティブな感じだったんです。時代とともに、更年期という言葉がすごく明るい言葉として世に出ている。「どうしようか?」とみんなで助け合ったり、本を読んだりできる。私は「更年期」でネット検索して、みんながどういったことで悩んでいるのかなと、よく調べています。

なおさん:今こうしてお話聞いて、なぜ更年期が恥ずかしくて言えないのだろうというのが疑問でしたね。

さきさん:更年期だという年齢を隠したくなりますよね。女性は。ですが、今は一昔前と違い、50代といっても全然違いますよ。今の50代は若いです。みんな、きゃぴきゃぴしています。

聡子:わかります。私の母たちと今の50代を比べると、今の方々って本当に若いし、お肌もおきれいですよね。少し前の50代のイメージと全然違いますよね。

さきさん:更年期といっても全然恥ずかしいことじゃないし、逆にみんなでオープンにしていたほうが幸せなんですよ。50歳からシニア世代だとしたら、53歳なんてまだ3歳ですよ。まだピヨピヨなんです。実際若いんだよ、と言いたいですね。

聡子:更年期はちゃんと抜けるものですか? 終わりもありますか?

さきさん:やわらいでいきますね。いろんな悩みとかは絶対に無くならないですが、やわらいで、そして丸くなっていく感じですね。

聡子:深いお話ですね。更年期の悩みは人それぞれ違っていい、ということですね。

執筆者
美腸アドバイザー
荒牧 聡子
ベストボディジャパン2021総合優勝のダイエット・腸活アドバイザー。厳しいダイエットで成功後、妊娠・出産を経て体質改善法を習得。産後ママや初心者向けに腸活ダイエットをサポート中。