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ツボで変わる!頑張りすぎない肩こり解消法

ツボで変わる!頑張りすぎない肩こり解消法
エイジングケア
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肩こりが慢性化していて気力が湧かない

友里子さん(46歳・在宅勤務女性)は肩こりに悩んでいるようです。
「仕事上、デスクワークやパソコン作業が多いので…」
毎日のデスクワークによって、肩と首の筋肉は緊張状態が続き、痛みと疲労感が耐えないと言います。
首や肩甲骨を回すストレッチを試しているようですが改善されないのだとか。
「最近はもっとひどくなってしまって、家事すらままならないんです」
夕飯の支度は夫と交代で行っているようですが、ここ最近は夫に頼んでお弁当を買ってきてもらったりしているそうです。
『このままではいけない』と悩む友里子さん。ここでは、そんな友里子さんにおすすめの「肩の痛みに効くツボ」を紹介します。

肩の痛みの原因はホルモンバランスの乱れ

更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)が減少していきます。実は、このホルモンバランスの乱れが血行不良を引き起こすのです。「更年期と肩の痛みに関係があるなんて知りませんでした」と友里子さんは驚きました。

加えて、長時間同じ体勢を取ることで筋肉は長時間緊張状態になります。緊張状態の筋肉は疲労しやすく、血行不良を招きます。

肩の痛みによく効くツボ

肩の痛みを感じたときは、ツボを押すことで症状を軽減することができます。
「ツボ押しであればセルフケアの一環としてできるかもしれません!」と友里子さんは興味津々です。

ここでは肩の痛みに効くツボを紹介しましょう。

肩こりには「肩井」

首・肩のコリや痛みにお悩みの人におすすめしたいツボは「肩井(けんせい)」です。
肩井は手で反対側の肩をつかんだときに、中指の当たる場所に位置します。 
「肩井」の深部には肩コリや首コリの原因となる筋肉や神経が多く存在しており、肩こりの名穴としても有名なツボです。

<おすすめの押し方>
反対側の手を当て、中指で押しましょう。
呼吸を意識し、押しながら5秒かけて鼻から息を吸い、力をぬきながら10秒かけて口から息を吐き出します。

四十肩・五十肩には「極泉」

四十肩・五十肩にお悩みの人におすすめしたいツボは「極泉(きょくせん)」です。
極泉はワキの中心に位置します。
ワキには、四十肩・五十肩の原因となっている肩周りの筋肉や神経が集まっています。ワキのツボには筋肉の悪いものを取り去り、血流をよくする作用があります。

<おすすめの押し方>
肩や腕に無理のない姿勢で、反対側の指を使って刺激しましょう。 
ワキの中央から始め、そのあと周りの固いところも刺激するのがおすすめです。
その際、呼吸を意識するとより血流改善が促進されます。
5秒かけて鼻から息を吸い10秒かけて、口から息を吐き出しましょう。

肩の痛みには漢方薬もおすすめ

毎日のツボ押しにハマりそうな友里子さんですが、肩の痛み改善には漢方薬の活用もおすすめです。
漢方薬のなかには「肩こり」「五十肩」に効果が認められているものもあり、整形外科などで処方されています。

肩の痛みの原因としては血行不良や水分代謝の乱れ、ストレスや過労、冷えなどが考えられます。

痛みの対策には、「血流をよくして肩の筋肉をゆるめる」「水分の循環をよくして老廃物や疲労物質を排出する」「自律神経のバランスを整え、ストレスが原因の首や肩のこりを軽減する」「肩の筋肉に栄養や酸素を届けて疲労を軽減する」「からだを温めて筋肉をゆるめる」といった漢方薬を選び、根本改善を目指します。

忙しい日々の中でも、漢方薬を使うことで手軽に対策できるのです。

肩こりにおすすめの漢方薬

葛根湯(かっこんとう)
からだを温め、後背部の血流をよくすることで首や背中のコリをほぐします。比較的体力がある人におすすめです

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
滞った血のめぐりをよくすることで、肩こり解消が期待できます。比較的体力のある人に用いられます。

ツボを押して肩の痛みとさよなら!

スキマ時間でササッとできるツボ押しは、忙しい日々の中にも簡単に取り入れることができます。また「疲れてツボ押しができない」「簡単でも時間の確保はやっぱり難しい」という場合は、漢方薬を取り入れるのもひとつの選択です。

ツボ押しと漢方薬で肩の痛みから解放された友里子さんは夕食の支度にも熱が入ってきたようです。

解説・執筆者
あんしん漢方薬剤師
碇 純子
薬剤師。漢方薬生薬認定薬剤師 。理学博士、薬学修士。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科修了。漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。