蚊に刺された痕を少しでもきれいに治す方法

蚊に刺された痕を少しでもきれいに治す方法
エイジングケア
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蚊に刺された跡が「色素沈着」で茶色くクスむ…

夏の季節はいつも蚊に悩まされます。私はすべての生物の中で蚊が一番苦手かもしれません。ただし、人の血を吸うのは実はメスだけで、卵を産む夏になるといつもの食事では栄養が足りなくなるため、危険を冒して人の血を吸うそうです。子供を育てるためなら、たまには血を吸われてもいいか…とは残念ながらなれませんが。

蚊に刺されたかゆみが数日間続くのもつらいものですが、美容にとってもっと嫌なのは、蚊に刺された痕が茶色くクスむ「色素沈着」でしょう。中年以降の人の中には、皮膚の新陳代謝が低下して、蚊に刺された痕が治りにくくなったと自覚している人も多いはず。

かくいう私も、1年前に刺された痕で、いまだに残っているものがあります。

まず、蚊に刺される部位により、痕の残りやすさは異なります。特に膝から下の足(下腿)は顔面に比べると3倍以上も治りにくいです。ただこれは蚊に限ったことではなく、ケガやヤケドなどにも共通します。下腿は血流がうっ滞しやすく、細胞の再生や修復が遅い部位ですが、顔面は血流がよく、皮膚が薄く、普段から紫外線というダメージを浴び続けているので、細胞の再生能力にたけています。数カ月以上も痕が目立つ部位のほとんどは下腿ではないでしょうか。

蚊に刺されるとかゆくなる原因は、蚊が血を吸う前に注入する、血管を拡張させるヒスタミンの含んだ唾液に対して、われわれの体に免疫反応(炎症反応)が起きるからです。かゆくなり、ついついかいてしまう行為は、皮膚にダメージを加えるので色素沈着につながります。そのため、刺されてかゆくなると、私はすぐに抗炎症作用のあるステロイド入りの軟膏(なんこう)を塗って、ラップなどで密封療法をしています。これが一番効くと思っています。

ビタミンCやトラネキサム酸が有効

蚊に刺され、かゆくて掻いた後は、患部が炎症を起こしてメラノサイトが刺激され、メラニンが作られます。通常、メラニンは皮膚のターンオーバーでアカと一緒に排出されますが、皮膚が老化したり、皮膚の炎症がひどかったり、色素沈着が真皮にまで達したりすると消えなくなる場合があります。

色素沈着の改善は時間がかかります。色素沈着にはビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸などが有効なので、サプリメントを飲んでもよいですし、病院で「炎症性色素沈着」と診断がつけば、保険診療でビタミンCの内服を処方してもらえる場合があります。

普段は顔に用いる薬用美白剤を塗ったり、グリコール酸などのピーリング作用のあるせっけんを用いて皮膚の新陳代謝をサポートしてあげたりするのもよいでしょう。

さらに、美容クリニックでは、イオン導入で高濃度ビタミンCやトラネキサム酸を患部に直接導入することや、色素レーザーを弱めのパラメーターで用いるトーニング照射などの方法もあります。気になる人は一度、皮膚の専門医に相談してみるのもよいでしょう。

蚊に刺されたときのポイント

  • 蚊に刺された痕が長引くのは、「炎症性色素沈着」のせい
  • 蚊に刺されたときのお勧めは、ステロイド軟膏&ラップ閉鎖療法
  • ビタミンC・Eやトラネキサム酸の内服、ピーリング作用のあるせっけんで皮膚の新陳代謝をサポート
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。