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【ベストセラー健康本】『80歳をすぎても老化しない脳とカラダをつくる! もむだけストレッチ』

【ベストセラー健康本】『80歳をすぎても老化しない脳とカラダをつくる! もむだけストレッチ』
予防・健康
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健康寿命の決め手は「指先の血めぐり」

健康寿命を伸ばす決め手は、実は「指先の血めぐり」にあるという。その理由を説くのが、神奈川歯科大学外学院統合医療学講座特任教授、統合医療SDMクリニック院長の川嶋朗医師が著した『80歳をすぎても老化しない脳とカラダをつくる! もむだけストレッチ』(宝島社刊、1580円)だ。

人は血液がないと生きてはいられない。呼吸で取り込まれた酸素は肺、心臓を経て血液にのって全身に行き渡る。それぞれの器官は、血液のめぐり(血めぐり)にのってきた酸素や栄養を取り入れて活動している。

そのため、血めぐりが悪いと、体が冷えて自律神経が乱れ、免疫力が低下し、認知症やがん、不妊症、うつ病、糖尿病などの生活習慣病や頭痛や肩こり、疲労、肌荒れ、イライラなど、心身共にさまざまな不調をきたすという。

そこで、本書が提唱するのは「もむだけストレッチ」など、血めぐりをより促すことで体の不調を改善する方法である。「血めぐり(血液の流れ)を改善することで、全身の新陳代謝が活性化し、脳も活性化します。本書ではスキマ時間にできる指先や全身の血めぐりを促すストレッチに加えて、さまざまな生活習慣を紹介しています。免疫機能を活発にして、健康寿命を伸ばす秘訣が満載です。指先の血めぐりをよくすれば、元気アップの効果があります」。そう話すのは、担当編集の田村真義氏。

すき間時間にできる「血めぐり術」

さっそく収録の「かんたん冷え度チェック」をやってみたところ、現段階では冷えや不調の自覚なし—という結果が出たが、これで安心できるわけではない。そこで、すき間時間にできる基本の「血めぐり術」に挑戦。ここでは4つの中の1つを紹介したい。

【指組み】
左右の指を交互に組む

それぞれの指の第一関節より少し指先側で組む

手のひらの中に卵を入れて、軽く握るようなイメージで閉じる。

1~3を3時間に1回、1分間繰り返す(関節部分で組むとしっかり噛み合い過ぎて血めぐりが滞ってしまうので注意)

手や足の先端に近い部分には、毛細血管がはりめぐらされている。非常に細いため、何らかの原因でよじれたり、詰まったりしがちだ。そのため、血のめぐりが滞り、冷えや代謝低下を引き起こすことも多い。「指組み」は手指の先を組む動作によって毛細血管の不具合を整え、血のめぐりを改善するストレッチなのだ。

他にも脳活性術のストレッチや、脳が若返る食習慣、漢方薬の使い方、脳が若返る運動習慣、ながら運動のコツ、血めぐりを促すツボ押し、入浴法や就寝のコツなど多方面から「血めぐり」にアプローチしている。

どれも特別な準備や難しい理論は必要なく、日常生活の中で手軽に取り入れられるものばかりなので、少しずつ楽しみながら試してみては。

湯船で筋力トレーニング

(10~15回×3セット)

【トレーニング1=両足の筋肉を鍛える】
湯船の壁に足と背中を押しつけるようにしてつっぱり、筋肉に力を入れる。10秒間この状態をキープし力を抜く。これを繰り返す。

【トレーニング2=両腕の筋肉を鍛える】
両手のひらを合わせて内向きに力を入れ、10秒間キープする。次に湯船の壁に両手をついて、壁を外に押すようにして10秒間キープする

執筆者
ジャーナリスト
田幸 和歌子
医療ジャーナリスト。1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。「週刊アサヒ芸能」で健康・医療関連のコラム「診察室のツボ」を連載中。『文藝春秋スーパードクターに教わる最新治療2023』での取材・執筆や、健康雑誌、女性誌などで女性の身体にまつわる記事を多数執筆。