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【ベストセラー健康本】『5万人を診てきた医者が教える 薬を使わず血糖値を下げる方法』

【ベストセラー健康本】『5万人を診てきた医者が教える 薬を使わず血糖値を下げる方法』
予防・健康
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健康寿命を握る大きな要素の一つ「血糖値」。血糖値が上がったままでいると糖尿病になり、進行すると失明や腎臓の悪化、足の神経障害、認知症などのリスクも高まる。そこで、糖尿病専門医が著した「血糖値を下げる方法」の1冊を紹介したい。しまばら病院(京都市左京区)院長の吉田俊秀医師が、肥満外来で35年以上診察にあたってきた知見を総動員した“一生ものの血糖値コントロール術”。それが『5万人を診てきた医者が教える 薬を使わず血糖値を下げる方法』(宝島SUGOI文庫、858円)である。

食前に生のキャベツで糖尿病予防

担当編集の橋詰久史氏は言う。

「近年の厚生労働省による調査では、糖尿病のリスクがある方は全国で2000万人以上と推定されます。運動で体重を減らすことが大事とわかっていても、なかなか継続できないのが実情です。この本では血糖値を上げない体になるための方法を解説していますが、難しいことは一切ありません」

糖尿病は自覚症状が出たときには遅いといわれる。だからこそ、早めの対処が重要なのだが、健康診断で「血糖値が高い」と言われても、痛くもかゆくもないだけに、放置する人が多い。意外だが「ちょっと高め」の段階で血糖値をコントロールする食生活や運動法を身に着ければ、その後の一生が変わるという。

本書では、吉田医師が患者に勧めるシンプルな方法を紹介している。

  • 食事の前に生のキャベツを食べる
  • タンパク質を必ず食べる
  • おやつは握りこぶし大の果物を1日2つまで

「食前キャベツダイエット」の方法

中でも柱が、吉田医師が独自に編み出した「食前キャベツダイエット」。方法は以下の通り。

  1. 毎食前に生のキャベツ6分の1個を食べる…1日3食分でキャベツ半分。小腹がすいたときやおやつがわりにも。
  2. キャベツは5センチ角に切る…手で千切るのでもOK。歯が悪い人や高齢者は千切りでも良いが、ゆっくり食べること
  3. 10分間よく噛んで食べる…生のまま味付けせずによく噛んで食べる。

生のキャベツは噛み応えがあるため、満腹中枢が刺激され、満腹感を得やすい。また、食前に食べることで血糖値の上昇をゆるやかにしてくれる効果があるそうだ。

吉田医師によると、93%の人が成功した誰にでもできる方法で、短期間に結果を出し、血糖値を安定させることを目指すという。とはいえ、生のキャベツに飽きて、継続できなければ意味がない。その場合、薄味なら味付けしても良いが、カロリーと塩分には要注意。また、味付けは一度に大量に偏ってかからないよう、スプレータイプの容器がお勧めという。

食前キャベツを実践してみると、確かにキャベツでかなり満腹になるため、食べ過ぎを抑えられ、数日間で体重が少々減少した。体が軽くなった感覚もある。

他にも本書では、血糖値を上げないための「食べる順番」や「お勧め食材と食べ方」「お勧めの飲み物」「つき合い酒をするときの注意ポイント」など食習慣のみならず、生活習慣やメンタル、ストレッチなど、血糖値に影響するすべての方法を伝授している。

ゆるく筋肉を鍛える簡単スクワット

  1. 肩幅よりやや広めに足を開いて立ち、両手は腰に当てる。ひざはつま先と同じ向き、つま先はやや外向きに
  2. 10秒くらいかけて、太ももが床と並行になるくらいまで腰をおろす。背筋は伸ばす。頭はひざの真上に
  3. 2の姿勢を3~5秒キープする。10回行う

(※詳しくは本書を参照)

執筆者
ジャーナリスト
田幸 和歌子
医療ジャーナリスト。1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。「週刊アサヒ芸能」で健康・医療関連のコラム「診察室のツボ」を連載中。『文藝春秋スーパードクターに教わる最新治療2023』での取材・執筆や、健康雑誌、女性誌などで女性の身体にまつわる記事を多数執筆。