老化・介護 疲労 猛暑を乗り切る食薬習慣

猛暑を乗り切る食薬習慣(1)~「紫外線疲労」から体を守る食べ物

猛暑を乗り切る食薬習慣(1)~「紫外線疲労」から体を守る食べ物
予防・健康
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国連のグテーレス事務総長は、「温暖化は終わった。地球沸騰化の時代」が到来したと警鐘を鳴らしました。元気をくれるはずの太陽が、私たちの体力を奪い取る勢いの過酷な夏ですが、お変わりありませんか?

それでも“長い自粛”が明け、花火にBBQ、キャンプ、プールにビーチと夏を謳歌している人も多いと思います。

紫外線の力は計り知れず、この気候の中、柔軟に行動や食べるものを変化させ、夏と共存しなければなりません。たとえダメージを受けてもすぐリセットし、次の季節へと軽やかに移行していきたいものです。

ということで、暑苦しい毎日ではありますが、「やりたいことは全部やった。元気いっぱいだ」といえるように、夏の日々をアシストする食薬習慣を紹介したいと思います。ここでは、紫外線による疲れ目や充血、紫外線疲労がテーマです。

紫外線が作り出すつらいこと

炎天下の中、外に少しいるだけで、目に痛みや充血を感じることはないでしょうか? 外界にさらされている部分なので、目は直接ダメージを受け、症状を感じることが多いです。ただでさえ、現代人はさまざまな情報にさらされ、目を酷使する環境にいます。目の疲れは周りの筋肉から首の付け根まで影響して首こり、肩こり、頭痛が悪化してしまうこともあるかもしれません。

さらに、目から入る紫外線の刺激は、脳へと伝わり全身に影響して大量の活性酸素が作り出しかねません。脳神経細胞や元気の源であるミトコンドリアなどが酸化ストレスを受け、自律神経が乱れ、交感神経が過緊張状態になり消化機能が低下、ぐったりしてしまうほどの疲労感を感じることがあります。

紫外線は、お肌が黒くなるだけだと思って防御せずレジャーを楽しんでいると、いつの間にか、疲労感が増し、楽しいはずの思い出に、水をさすことになるかもしれませんよ。

目の疲れ、充血、紫外線疲労を軽減する食薬習慣

まず、日焼け止め、帽子、日傘、サングラスなどで身を守ることは最低限行いましょうね。特に男性は、色黒になるだけだ—と過信しがちなので、自身が気をつけ、周囲に日焼け対策が不十分な人がいたら日焼け止めを貸したり、日陰に入れてあげる配慮があっても良いと思います。

さて、食薬としての対策をお伝えしましょう。それは…抗酸化力の高いものを摂ることです。抗酸化力の高いものは、長期間効果を発揮し続けることが難しい特徴があるので、頻繁に食べる必要があります。

毎食、高タンパク質、低糖質を目指す人が多いですが、夏はそれに加え“色&香り”が特徴的な野菜を取入れることもスタンダードとしてみましょう。色や香りの成分には、抗酸化作用の高い成分が多く含まれているからです。

トマト、モロヘイヤ、大葉、バジル、オクラ、ナスなどの夏野菜がおすすめです。飲み物は、緑茶、ルイボスティ、おやつには高カカオチョコレート(カカオ70%以上)などを摂りましょう。

常に体の中から紫外線対策をしていくことで健やかに夏越えをしていきましょうね。

解説・執筆者
薬剤師、国際中医師
大久保 愛
食薬の第一人者、薬剤師、漢方カウンセラー、国際中医師、日本初の国際中医美容師、薬膳料理研究家、作家、アイカ製薬代表取締役。未病を治す専門家としてAI漢方・食薬相談システム『CrowdSalon』開発や『食薬アドバイザー』資格養成、商品開発、企業コンサルティングなどに携わる。著書『心がバテない食薬習慣』は発売1カ月で7万部突破のベストセラーに。著書多数。https://crowdsalon.com/。