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口の中の「ささいな衰え」が全身に広がる危険も

口の中の「ささいな衰え」が全身に広がる危険も
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健康長寿の第一歩はオーラルフレイルを防ぐこと

2022年度版「高齢社会白書」では、日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、男性で72.68年、女性で75.38年と報告されています。

50歳を過ぎた人にとって、健康寿命があと20~25年と聞くと、少し不安に感じるかもしれません。そこで今回は、健康長寿への第一歩である「口のケア」についてお伝えします。

当サイトでも繰り返しお伝えしているように、美容は健康があって初めて成り立つものですので、見た目ばかり取り繕っても真のアンチエイジングとはいえません。特に、口のささいな衰えは全身の老化につながるといわれています。

歯や歯茎、舌、頬、顎などの口周りの筋肉は、「食べる」「話す」「唾液を出す」「表情をつくる」などさまざまな役割があり、美容の分野では「たるみ」に影響します。こうした口の機能が低下すると、「噛みにくい」「口が渇きやすい」「口臭が起こりやすい」「顔面の下半身がたるむ」といった症状につながります。これらを「オーラルフレイル(口腔機能の虚弱)」と呼びます。

オーラルフレイルを防ぐには、①歯を守ること、②口の機能を保つことの2点が重要です。虫歯や歯周病は歯を失う原因になりますので、歯磨きの重要性は言うまでもありません。

口のケアが健康長寿とアンチエイジングに重要

また、クリニックで診察していると咬筋の緊張状態が続く「噛み続け癖」の患者さんも多いです。噛み続けている歯が舌の淵にあたり痕が付いている、頬の内側に白い線がある、首や肩が張る、インプラントが壊れる、マウスピースに穴があく、などの症状があてはまります。

整容面においても、咬筋が発達すると顎が出っ張り、ホームベースのようなフェイスラインになってしまいます。

「噛み続け癖」をセルフケアで対応するには、「歯を離す」と書いたメモをパソコンの画面などに貼るなどして、定期的に咀嚼筋の緊張をリリースしてあげましょう。あまりにひどい場合は、自費診療になりますが咬筋へのボトックス注射も適応があります。

また、舌にたまる舌苔は口の粘膜や細胞が剥がれ落ちたもので、口臭や味覚の減退、食欲低下の原因になります。舌ブラシを使って取り除きましょう。

定期的に歯科で「歯のクリーニング」をしてください。歯の清掃を怠り、プラークを放置していると石灰化して「歯石」となります。硬くなったプラークや歯石は歯ブラシや歯間清掃用具(デンタルフロスなど)を使っても取り除くことができませんので、3カ月に1回はかかりつけの歯科医院で除去してもらうのがよいでしょう。私は歯のクリーニングをすると、歯だけでなく気持ちもスッキリします。

「口」の健康は、単に虫歯がないだけに留まらず、健康長寿やアンチエイジングにもつながっています。今一度自分の口腔ケアを見つめ直してください。

  • 「口のケア」は全身や顔のアンチエイジングにつながっている
  • 「噛み続け癖」は咬筋が発達して、フェイスラインがホームベースのようになる
  • 3カ月に1回は定期的な歯のクリーニングを
解説・執筆者
形成外科専門医
西嶌 暁生
医学博士、形成外科専門医、MBA。1984年7月7日生まれ、富山県出身。形成外科・美容医療の専門医として、10年以上、臨床と研究に従事。2019年から恵比寿形成外科・美容クリニック副院長。著書「だから夫は35歳で嫌われる~メンズスキンケアのススメ」(光文社)が発売中。