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記録的猛暑の疲労解消、「運動」と「発酵食品」に注目を

記録的猛暑の疲労解消、「運動」と「発酵食品」に注目を
エイジングケア
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真夏の“寒暖差”は自律神経を疲労させる

今年は、日本各地で“体温超え”の気温が続いています。ヒトは日中30度以上の真夏日が続くと、「だるい」と感じることが多く、とくに更年期世代はホルモン変動による自律神経の乱れもあって、気分も身体もすっきりしないことがあるようです。

「真夏は、屋内外の寒暖差で自律神経が疲労しやすい。特に体質的に冷え性の方は、代謝が悪いので発汗しにくく、熱が体内にこもることで、のぼせやだるさなどを感じやすくなります

こう話すのは、せたがや内科・神経内科クリニック(東京都世田谷区)の久手堅司院長。自律神経失調症外来などで原因不明の「だるさ」に悩む人を数多く診ています。

「加えて、ストレートネックなどの姿勢に関係した筋肉疲労、ストレスや仕事による脳疲労、血流変動、血糖値変動など、それらが重なることで慢性的な疲労につながっている方が少なくないと感じます」

本来、肉体的・精神的な疲労は、睡眠と休養を十分に取れば回復します。しかし、慢性的な疲労に陥っていると疲労回復が難しいのです。たとえば、「今日は疲れたから早めに寝よう」と布団に入っても、なかなか寝付けないことがあるでしょう。朝起きたときには疲れが残ったまま、重い体を引きずるようにして出勤し、仕事をこなすような事態を招きます。ようやく訪れた休日はゴロゴロしたものの、疲れが取れずに週明けを迎えることもあります。

慢性的な疲労を解消する「運動」と「腸」

「慢性的な疲労を抱えている人は、呼吸が浅くてリラックスするのが難しく、夜もよく眠れない不眠を抱えていることが多いのです。そういった方には、無理のない範囲での運動がお勧めです」

冷え性で代謝が悪いときにも、運動をすることで代謝や発汗が促され、自律神経も整いやすくなるといいます。自律神経が整うと夜の寝付きもよくなり、疲労回復につながるのです。

慢性的な疲労は、じっとしていて寝れば治るというわけではありません。体を動かす方が症状は楽になり、夜も寝付きやすくなります。会社帰りの涼しい時間帯に、30分程度、無理のない範囲でウオーキングをしてみてください」

とはいえ、「だるいなぁ」と思っていると、体を動かすのもおっくうです。動きたいけれど、動けないときにはどうすればよいのでしょうか。

「無理をする必要はありません。頑張りすぎは逆効果です。動けないときには、偏った食事内容の見直しから考えてはいかがでしょうか」

暑い日が続くと、冷たい飲食を好むようになり、のど越しのよい料理や食材を選びがちです。偏った食事内容では腸内細菌叢(そう)が乱れ、免疫の低下など不健康の引き金になることがあります。加えて、気分の落ち込みも後押しします。

「近年、腸の働きは脳に影響を及ぼす『脳腸相関』が注目されています。腸内環境が悪いと幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが減るのです。ヨーグルトや発酵食品などを食事に取り入れると健康に役立ちます」と久手堅院長はアドバイスします。

解説
内科・神経内科医師
久手堅 司
せたがや内科・神経内科クリニック院長。医学博士。2003年、東邦大学医学部卒。東邦大学医療センター大森病院などを経て2013年から現職。「自律神経失調症外来」などの特殊外来を立ち上げ、原因不明の体調不良に悩む患者を数多く救っている。
執筆者
医療ジャーナリスト
安達 純子
医療ジャーナリスト。医学ジャーナリスト協会会員。東京都生まれ。大手企業からフリーランスの記者に転身。人体の仕組みや病気は未だに解明されていないことが多く、医療や最先端研究などについて長年、取材・執筆活動を行っている。科学的根拠に基づく研究成果の取材をもとに、エイジングケアや健康寿命延伸に関する記事も数多く手掛けている。