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疲れたからだを癒やし、消化不良を改善するヨガの秘訣とは?

疲れたからだを癒やし、消化不良を改善するヨガの秘訣とは?
エイジングケア
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「食後に胃がもたれることが多くなった」
「夜に胃がムカムカして眠れない」
更年期世代のなかにはそんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

更年期の消化不良には身体的・心理的、両方の原因が考えられます。ここでは、消化不良を解消するためのヨガについてご紹介します。

ヨガは、ただからだを動かすだけでなく、精神面にもアプローチできるので、更年期世代にはとくにおすすめです。簡単な動きも多いので、ぜひ就寝前などに実践してみてください。

更年期世代が消化不良を起こす理由

更年期世代の女性が消化不良を起こしやすい背景には、ホルモンバランスの変化や代謝の低下、食生活の変化が関与しています。

更年期には卵巣機能が低下し、エストロゲンやプロゲステロンの分泌量が減少します。エストロゲンは消化器官の働きに影響を与える重要なホルモンであり、その減少によって胃腸の運動が低下し、消化機能が弱まる可能性があります。

他にも、基礎代謝量の低下によってエネルギー消費が減少したにも関わらず、過剰な食事や栄養の摂取をした場合も消化不良を引き起こす可能性が高まります。

さらに、更年期にはストレスや睡眠障害といった心理的な要因も関与します。ストレスや睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、消化器官の正常な働きを妨げることがあります。このように、更年期の消化不良には、さまざまな原因があると考えられているのです。

【参考】
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「更年期の運動の効果」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/undou-kiso/kounenki.html

大塚製薬株式会社 更年期ラボ「胃もたれ・胸焼けの症状について」
https://ko-nenkilab.jp/symptom/dyspepsia.html

ヨガによるストレッチで消化不良をサポート

ヨガのストレッチを行うことで、自律神経を整わせ、身体の柔軟性を向上させると、消化不良の緩和が期待できます。

更年期は筋力や柔軟性が低下しやすくなるため、意識的にからだを動かすことが大事です。ヨガには筋肉や関節の柔軟性を高められる動きが多くあり、初めての人でも気軽にできるのがおすすめポイントです。

ヨガと一般的なストレッチとの違いは何でしょうか。それは「呼吸に意識を向けてからだを動かしているかどうか」です。ヨガの最大の特徴は「意識的に呼吸をする」ことで、これが一般的なストレッチとの大きな相違点です。

更年期の消化不良は、ストレスや自律神経の乱れが原因になる場合があります。吸って、吐いて、を意識的に行うことにより、ストレスの軽減や自律神経の調整が期待できます。つまり、からだの内側と外側の両方からアプローチできるのがヨガの長所です。

消化不良改善効果のあるヨガポーズ3選

ここでは、消化不良が気になる人におすすめのヨガのポーズを紹介します。

長座のねじりのポーズ

  1. 脚を伸ばして座る
  2. 右脚のひざを曲げ左腕でかかえる
  3. 右足裏は左脚をまたいで床につける
  4. 右手はお椀型にしてお尻の後ろにつき、大きく息を吸う
  5. 息を吐きながら上半身を捻る

脚の付け根から上半身をねじり、目線は後ろに向けます。肩の力を抜いて3呼吸キープしましょう(反対も同様に行います)。

下向きの犬のポーズ

  1. 四つん這いになる
  2. 肩の真下に手首がくるようにし、床をしっかり押す
  3. 息を吐きながらお尻を天井へ高く突き上げる
  4. 息を吐く

ポイントは頭頂からお尻まで一直線にすることです。背中が丸まってしまう場合は、ひざを曲げましょう。ひざを伸ばすことより、背中を伸ばすことを優先します。目線は足の指先に向け、もも裏の伸びを感じられるところで3呼吸キープしましょう。

三角のポーズ

  1. 両腕を肩の高さに伸ばして、両手首の下に足首がくるように脚を開く
  2. 右足先を90度外側に向ける
  3. その場で息を吸って、吐きながら上半身を右に倒す

右手は足首に添えるか、難しい場合はヨガブロックなどを下に置いてサポートしましょう。両腕は一直線に保ち、上半身を真横に倒します。また、からだが前に倒れないようにおなかに力を入れて、余裕があれば目線は左手の先へ向けます。3呼吸キープしましょう(反対も同様に行います)。

ヨガ×漢方薬で消化不良知らずに!

消化不良には、ヨガに加えて漢方薬の活用もおすすめです。漢方は自然由来の生薬で構成されているため、一般的に副作用が少ないといわれています。

消化不良には、下記のような作用の生薬を含む漢方薬を選びます。

  • 血行をよくして胃腸の働きをよくする
  • 自律神経のバランスを整える
  • 胃腸の消化機能を回復する

更年期はホルモンバランスの変化やストレスなどが原因で消化不良を起こすこともあります。からだの内側からもケアすることで不調の根本解消が期待できるでしょう。

消化不良解消におすすめの漢方薬

六君子湯(りっくんしとう)


胃腸の働きをよくして、胃の排出機能を整え、胃の痛みや食欲不振などに働きかけます。胃腸が弱く、疲れやすい人におすすめです。

【参考】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ六君子湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8543

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

体力が中程度の方に向いています。神経症や不安感、神経性胃炎にも使われます。滞った気の流れを整えることで、塞いだ気分やのどのつかえ感、不安など精神的な症状に働きかけます。

【参考】
くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒(医療用)」
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=7949

漢方薬は心身の不調に同時にアプローチできることもポイントのひとつです。更年期の場合は、消化促進だけでなく、ホルモンバランスを整えられる漢方薬を選びましょう。

ただし、初心者の人は購入方法や副作用など、不安なことも多いでしょう。そのような場合は、インターネット相談窓口がある「あんしん漢方」のようなサービスを利用してみるのもおすすめです。「オンライン個別相談」を利用すれば、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができます。体質に合った漢方を見極めて、お手頃価格で自宅まで郵送してくれます。

更年期世代の消化不良を解消して健康ライフを!

更年期世代の消化不良には、さまざまな原因が潜んでいます。解消するためにはヨガや漢方薬をうまく組み合わせて、からだの内側と外側の両方からアプローチすることが大事です。

ただし、症状が重い場合やなかなか改善しない場合は無理をせず、早めに医療機関を受診してください。

解説・執筆者
ヨガインストラクター
高橋 かなこ
RYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとして、2021年からオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験や自身のダイエット成功経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン、美しい体を作るため食の大切さや思考について精力的に情報発信を行っている。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。