サプリは自分にあったものを厳選して
サプリメントは、ある成分が濃縮されている製品という意味です。サプリを使用するときには、まず気をつけてほしいことがあります。
- 医薬品がわりにしない
- 食事がわりにしない
- 表示をよく読む
- 大量に飲まない
薬がわりにしない
健康食品やサプリメントは、薬の代わりになるものではありません。錠剤やカプセルなど医薬品と形が似ていることも多いですが、サプリは食品です。体調が悪いときや病気の心配があるときには使うものではありません。
サプリメントは普段の生活で不足しやすい栄養を補うのが本来の目的です。病気かもしれないのにサプリメントで済ませて診察を避けるのは、もってのほかです。また、受診の際は医師にどんなサプリメントを飲んでいるかをきちんと伝えたうえで、診察を受けましょう。
食事がわりにしない
サプリメントを飲んでいるから野菜をとらなくていい、ということにはなりません。サプリメントは、あくまでサポートです。3度の食事をきちんとバランスよく食べるのが前提であることを忘れないでください。
サプリメントだけを取りすぎて思わぬ健康被害が起きることもありますし、サプリメントでは取れない栄養もあります。毎日の食事を取ったうえで、サプリメントを使用しましょう。
表示をよく読む
サプリメントを飲んでいると効果が下がったり、逆に吸収を促進させたりする医薬品があります。たとえば、ビタミンCを極端に大量に飲むと、血液の凝固を阻止する薬であるワルファリンの作用を減弱させることが報告されています。
これらの相互作用については、サプリメントに記載されています。使用上の注意をきちんと読んでから、サプリメントを飲みましょう。信頼できるサプリメントであれば、表示もきちんとされているはずです。表示を読んでも、よくわからない場合は、医師に問い合わせ慎重に対処しましょう。
いろいろ飲みすぎない
あれもこれも欲張ってサプリメントを飲んでいると、それぞれの相互作用も複雑になります。もし、複数のサプリメントを飲みたいのなら、ひとつずつ増やしていきましょう。体調を崩したときに、原因を探しやすくなります。
また、サプリメントには成分を錠剤やカプセルに成形するために食品添加物も配合されています。たくさんサプリメントを飲めば、それだけ余計な食品添加物をとってしまっているのです。そのためにも、サプリメントに頼りすぎず、いろいろ飲みすぎないほうがいいでしょう。
50代の女性におすすめのサプリメントは?
ここまで読んできた人は「でも、悩みにあわせて、いろいろサプリメントを飲みたいのに…」と思われるかもしれません。
私(桜会)がサプリメント選びでおすすめしたいのは、悩みの原因にバランスよくアプローチする総合サプリメントです。
50代女性の悩みは?
50代女性の一般的な悩みとして多くあげられるのは、以下のようなものではないでしょうか?
- 更年期の悩み:更年期障害によるホルモンバランスの乱れ、ホットフラッシュ、イライラ、不眠症、意欲の低下など
- 健康問題の悩み:身体機能の低下、病気への懸念、生活習慣病へのおそれ、体力やエネルギーの低下
- 人間関係の悩み:子どもの巣立ち、役割の変化、親の介護、パートナーとのコミュニケーションなど
- 自己肯定感の悩み:自分の価値への不安、加齢による容姿や体型の変化に対する不安
- 老後の悩み:老後の人生への不安、自分の人生の意味やキャリアに対する不安、孤独感、老後資金
現代の女性にとって、50代は人生の節目です。悩みはいろいろですが、根本的なところに更年期による体の変化があります。上手に更年期を乗り越えていけば、人生に前向きに取り組むことができ、不安感も少なくなりやすいと思います。50代女性には、不安定になりがちな体のバランスを調整するサプリメントがおすすめです。
50代は体全体のバランスを調整する総合サプリメントがおすすめ
体はバランスのうえに成り立っています。50代になると、ホルモンバランスの乱れからバランスを崩しやすく、体調不良や肌の変化を感じる人が多くなります。
このとき、バランスを考えずに単独のサプリメントで補おうとすると全体の微妙なバランスが崩れ、また別の問題が出やすくなってしまいます。こうなると、次から次へとサプリメントを試していくことにもなりかねません。
全体のバランスを整えるためには、ホルモンバランスの乱れにアプローチするサプリメントや総合的サプリメントがおすすめです。また漢方なら、ひとつの生薬でも女性を総合的に助けてくれる成分もあります。
50代女性におすすめしたいサプリメント成分
50代におすすめの成分をまとめてご紹介します。サプリメントは必須ではありませんが、もし体調が気になるときは、これらの成分が含まれている総合サプリメントを試してみましょう。
大豆イソフラボン・エクオール
イソフラボンは、マメ科の植物に多く含まれるポリフェノールの一種です。とくに、大豆イソフラボンは更年期に減少する女性ホルモンのエストロゲンと立体構造が似ていて、女性ホルモンと似たような働きを持ち、更年期の女性におすすめの成分だと言われています。
大豆イソフラボンは、体内で腸内細菌によってエクオールという物質に変化し働いています。女性の約半数はエクオールを作り出せないので、大豆イソフラボンを食べても利用できません。このため、大豆イソフラボンを乳酸菌発酵したエクオールという商品も発売されています。
ビタミン
50代には女性ホルモンのエストロゲンが少なくなり、骨粗鬆症のリスクが高まります。また閉経に向けて月経周期が短くなる人も多く、頻発月経による貧血を起こしやすい時期です。ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けると知られています。ビタミンCは鉄の吸収を助けたり、酸化を防止したりします。またビタミンB群は、エネルギーを生成する反応を補助する働きがあり、元気な毎日を助けてくれます。
抗酸化成分
抗酸化成分は、老化を進める活性酸素を抑制すると期待されている物質です。アントシアニン、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、リコピン、ポリフェノール、還元型コエンザイムQ10と多彩な物質が販売されています。
ミネラル
ミネラルは、体の調子を整えたり、骨や歯を作ったりする物質です。必要な量は微量ですが、体内で合成できず貯めることもできないので毎日とる必要があります。更年期に特に注意したいのは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄です。
カルシウムは骨の他にも筋肉を動かしたりホルモン分泌にかかわったりしています。マグネシウムはカルシウムとともに骨をつくるのにかかわったり、筋肉を動かしたりするほか、体温・血圧の調整にも役に立っています。亜鉛は、たんぱく質の合成やコラーゲンの生成をサポートします。
鉄、特に動物に含まれるヘム鉄は、体に酸素を運んでくれ、肌のハリ・ツヤや弾力、うるおい、しなやかさを維持してくれます。
生薬
生薬も、昔から更年期以降の女性に処方されてきました。いまも利用する人が多く、サプリメントだけでなく医薬品としても使用されています。サプリメントに使われている成分には田七人参、サフラン、ザクロ、イチョウの葉などがあります。
サプリメントに頼る前に見直したい5つの生活習慣
サプリメントは、あくまで元気でいるお手伝いです。なんだか調子が悪いなら、まず生活習慣を見直してからサプリメントを試しましょう。生活習慣見直しのポイントを5つにまとめました。ご自分の暮らしを振り返ってみる参考にしてください。
バランスの取れた食事をしていますか?
体は食事によってできています。同じものばかり食べたり、特定のものを食べなかったりと、偏った食事は、少しずつでも改善していきましょう。アルコールも、肝臓に負担をかけます。更年期では飲めるお酒の量が減り、お酒が抜けるスピードも遅くなった…と感じる人が多くなります。無理をしないで楽しみましょう。
体を動かしていますか?
適度な運動は、循環器を維持するだけでなく精神的にも安定しやすくなります。楽しいと思える運動を週に数回、30分から1時間程度おこないましょう。
睡眠をとっていますか?
睡眠は身体の回復に必要なものですが、更年期による自律神経の乱れで眠れない人もいらっしゃいます。睡眠で重要なのは長さより「深さ」。寝室の環境や温度、音などに注意して深い眠りをめざしましょう。
逆に更年期の不調を睡眠不足のせいだと思い込んで、睡眠にこだわりすぎて眠れなくなり、睡眠の質が低下することも。睡眠不足にとらわれすぎないのも大切です。あまり眠れないようなら、医療機関を受診するのも一つの手です。
ストレスとうまく付き合えていますか?
50代は、仕事や子育て、子どもの巣立ち、介護など環境のストレスも多い時期です。真面目で頑張り屋、神経質、完璧主義の人は、更年期の症状を感じやすい傾向にあると言われています。
家族、職場以外の自分の居場所をつくったり、80%で自分にOKを出すことにしたりと、多面的で不完全な自分を受け入れるほうが楽しく過ごせるでしょう。
年齢を重ねると、後ろ向きの考えになる人もいます。でも「今が一番若いから、やりたいことは今やっておこう」という姿勢も大切です。
定期的に健康チェックをしていますか?
病気は都合にあわせてくれません。特に50代では、心臓病、糖尿病、がんなどのリスクが増えます。早期発見・早期治療をするためにも、定期的に健康チェックを行いましょう。
サプリメントに頼りすぎず、上手に選んで使おう
サプリメントは、薬でも食事でもありません。上手に利用すれば役立ちますが、頼りすぎはよくありません。50代女性なら、バランスよく働きかける総合サプリメントや漢方などを選ぶと良いでしょう。生活習慣を整えながら、サプリメントも利用して充実の50代をすごしましょう。